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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

本来無一物 

2014/06/18
Wed. 05:14

バラバラの書類を一つに閉じたくてホチキスが必要になった。
だいたいある場所はわかっているつもりでしばらく自力で探したがどうも見つからない。
朝の忙しい時だったので悪いなと思いつつ、何処にあるかワイフに聞いた。
案の定、ちょっとイラッとしたかんじで「いつものクリアラックの上から2・3番目。あなた自分で有る場所ちゃんと覚えておかないと、私がいなかったら何もわからなくなって困るでしょ」と、場所を教えてくれつつ諭された。
その場所はすでにそのあたりだったと思って探していたんだけど見つけられなかったのよ・・・
「確か、ピンク色をしたホチキスだったはずだ・・」と曖昧な記憶を頼りにしていたイメージ上のホチキスは、例のコの字型の針がビッシリ並んでいる昔ながらの定番のヤツ。
それを目指して探していたら、ワイフが差し出してくれたのは最新型の針がいらないヤツ。
かたちも似ているといえばホチキスだが、自分の頭にあるあの形をイメージして探しているから、まぁ、色はピンクだったような気がするけど、かたちも違うしやっぱりそこにあってもわからないよ。

家族なんて個人個人が共同生活をしているようなものだから、色々な道具や小物や文房具を色々自分の使い勝手の良いように使ってそのままになったりして、誰かそれを見つけて「しかたないなぁ、ちゃんと元に戻しておいてくれよ・・」と若干イラッとしつつ自分でひとのものを片づけたりすることなどしょっちゅうある(吉田家の場合は・・)
じゅん君が家にいた時は耳かきがどんどん無くなって、仕方がないから補充する。そのうちまた何処かに無くなるから補充して、結局しばらくして彼の部屋にいっぱい溜まって見つかったりした。
キーポンの教科書やノートや勉強道具や食べかけのお菓子などがピクリとも動かないで何ヶ月も同じ場所にあったりすることもよく見かける。
しばらくモノが動かないであることに気がつくと、私がそっくりAmazonの空き箱か何かへ移して片づけたりするものだから、それからずいぶん経ってすっかりそんなこと忘れてしまっている頃になって「あれはどうした?」とか聞かれても困ってしまう。

壮絶な人生の末にウルグアイの大統領になったホセ・ムヒカさんがすごい。
彼は「世界で最も貧しい大統領」といわれている。
2012年の地球サミットでの彼の演説が心にしみた。
エンドレスの消費社会を作った富裕の国々に対して厳しく責任を問いかけている。
そして、「昔の先住民曰く、貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と言い切っている。

ホチキスから針を無くしたということは、環境にやさしい開発研究の成果かもしれない。しかし、だからといって、今まで使っていた針の球を打ち込むホチキスも無くなることは無いと思う。

4つの年回の4枚の塔婆の裏書きに4つの禅語を書かせてもらった。
1つは、例の歳月不待人
1つは、万波不離水
1つは、寂然不動心
そして、本来無一物

無い知恵を絞って、難しい本を頼って、意味を解ろうと脳みそを絞ってすがった4つの禅語は、どこかしらホセ・ムヒカ大統領の演説の言い換えのようなところも感じられて、仏教の深遠な思想の淵が少しばかり見えたような気がした。

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