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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

布施のご縁 

2014/07/11
Fri. 08:15

大騒ぎになっていた台風が千葉県をかすめて関東の東海上ぬけようとしている。
石見銀山の谷は比較的風の当たりが強くないので、大風の被害はそれほどでもないが、谷が狭いこともあって大雨には弱いところがある。
世界遺産に登録が決まったあたりから急ピッチで防災工事が進んで、側溝や暗きょの改修が行われた。
その時は一見災害に強くなったように思われたが、相次ぐゲリラ豪雨や豪雪の異常気象には抵抗力が弱いとわかって、町民の間では自治会ごとに自主的な防災計画をたてて豪雨対策や防災訓練を実施したりしている。

銀山川を中心にV字型に切り立った斜面のわずかばかりの平地へ町並みが続いているから、銀山川の水量が増すと町内の各所で浸水被害が起きる。
今度の台風も大雨が降るという情報だったので、吉田家のある自治会でも数日前から危険個所を点検したりしていた。

「吉田さん、栄泉寺谷の木を切ったんだけど薪に使うんだったら持っていってええよ」
「吉田さん、台風で栄泉寺谷の木が押し出される前になんとかならんかね」
よりによって、台風の来る前に谷へせり出したのり面の木を檀家さんたちが切り倒してしまったらしい。
何処かの業者さんへ依頼したのだろうが、切った木はそのまま谷の中へ倒してあったりして、大水が出ると一気にその丸太や枝木を町並みの側溝へ押し流してしまうことになる。
近所の人たちは吉田家に薪ストーブがあることを知っていて、台風のこともあるからこれさいわいに声をかけてきたわけだ。
吉田としてはタダで薪を頂けることでとてもありがたいことなので、台風通過予定日の2日ほど前からコツコツと栄泉寺谷の片づけを始めた。

石見銀山の谷全体がなんとも我慢できないほどの蒸し暑さで、チェンソーをふるう身体に溜まった汗と熱がツナギの中で逃げ場を失っている。
フラフラになりながら結界君で数回にわけて刻んだ丸太を運んで片づけたが、台風が来る前に仕事がなかなかはかどらないまま日が暮れた。
いいかげんな仕事で人災にでもなったら吉田の責任になりかねないし、ビクビクしながら台風通過を待った。
結局大騒ぎをした割に雨風ほとんど関係なくて緊張の糸が切れて、夕ご飯は思わず麦とホップを飲みすぎてしまった。

まだ薪は半分以上栄泉寺谷のあぜ道に残っている。
雨の様子を見ながら片づけるつもりだ。
万善寺の和尚さんが栄泉寺の御下がりを頂くことになる。
布施のご縁を噛みしめながら今日は午前中に栄泉寺のご住職をたずねようと思っている。

IMG_1604.jpg

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