FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

無欲に生きる意欲 

2014/11/10
Mon. 09:53

留守にしている間に宅急便でお酒の箱が届いていた。
送り主は京都のiさん。
地元京都で3つの彫刻展に大作の野外彫刻を出品し続けている彫刻家で、六本木の展覧会へは共同出品をしていただいているメンバーの一人だ。

山陰で彫刻を造っている連中が集まってトラックをチャーターして東京の展覧会へ共同出品を始めてからもう20年くらいにはなっていると思う。
その間に諸経費がどんどん上がって頭割りの出品費用がどんどん膨らむから、とにかく頭数だけでも増やそうと思いついたのが共同出品の作家拡大。
山陰両県はもとより、最近では山口で孤軍奮闘している彫刻家のtさんと、その京都のiさんが加わってくれて、経費的には一時期より少しばかり軽減できるようになった。
彫刻の大小や重軽や距離の遠近でそれぞれ差をつけはじめるとキリがないから、とにかく単純に経費計算できるよういろいろ工夫しながら毎年乗り切っている。
だから、共同出品の仲間は負担の大小でとやかく詮索することもなく割り切ってそれぞれの役割を全うできればいいと思っている。
出品歴が浅ければ彫刻の制作に集中して完成度を高めて入選をめざすことが務めになるし、力持ちには搬入や搬出の仕事にせいを出してもらうし、時間に余裕のある人がいちばん働けばすむことだし、とにかく分相応に自分の務めをはたしてもらえばそれでいいとお互いが納得して自分の役割を務めてもらっている。
京都のiさんには、毎年搬入も搬出も六本木の受付で働いてもらっていて、他の共同出品メンバーはとても助かっている。
そんなわけで、みんながそれぞれ自分の役割を決めて働いているから特に改めて酒の箱など送らなくてもいいと思っているのに、本人はそうしないと気が収まらないという。
毎年同じことのくり返しも受け取る側は恐縮ばかりだが、それぞれがそれぞれの思いで過不足なく付き合っていることだろうから、最近はもう細かいことは気にしないでこんなもんだと思ってありがたく頂戴することにしている。

そのiさんは作品の完成度が評価されてこのところ受賞が続き、ついに審査委員へ推挙された。
普通に目出度いことだが、一方で困ったこともある。
見てみぬ振りで済ませていた受付当番の仕事をiさんへ任せることが出来なくなってしまった。
これからまた試練の1年が始まる。
「毎年遠くへ彫刻出品することも大変で疲れてきたから、そろそろこれで最後にしようと思って大きい彫刻を造ったんだけど、やめることも出来難くなって・・・」
お礼の電話をしたら、ご本人がそうおっしゃっていた。
欲張らずその時出来る精いっぱいのことに励む姿を、見る人はちゃんと見ていますよ。
結果はそうやってついてくるものだと思う。
意欲と我欲は紙一重で、欲も過ぎると見苦しくなるだけ。
世間にはそうやって見苦しく生きて見苦しく死んでいく方々がどれだけ多くいらっしゃることか・・・
地球社会の生き物の中で、欲を意識して暮しているのは人間だけだと思う。

シロの具合が悪くなって病院のお世話になった。
少し前にはクロが瀕死の重体で入院までしているからなかなか厳しいところでもあるが、そのままにしておくわけにもいかないからと、ワイフが嫌がるシロをゲージに入れて病院までつれていった。
結局幾つかの薬をもらって様子を見ることになった。
シロもクロも自分では苦しいともつらいとも言わないでジッと絶えている。
その姿がいじらしくなって結局ほったらかしに出来ない。
いろいろ粗相をしたりいたずらをしたりしながら、人間と付かず離れず暮している猫を見ると、それが彼等にとって本当に幸せなことなのかわからにままに、かといって、野良猫で暮すよりは幸せなはずだと人間の勝手な都合で思い込んだりしているところもある。
病気や喧嘩も絶え間ないだろうし、緊張の連続だろう野良猫暮らしは、寿命は短くなってほとんど毎日を運の助けで暮すことになるかもしれないが、窮屈な人間との同居暮らしよりはもっと自由に暮せるのかもしれない。
人間は我欲を捨てて潔く無欲に生きることがなかなかできない。
無欲に生きる意欲がないといけないね・・・実に難しいことだ。

IMG_1051.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/1781-d040bc92
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2020-08