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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

蜩の記 

2014/11/16
Sun. 07:50

早朝6時過ぎに石見銀山の吉田家を出発して松江へ向かった。
空に残った雲のおかげでそれほど冷え込むこともない。
それでもキーポンは寒い寒いといっていた。
最初の予定では、前日にワイフとキーポンが松江で一泊することになっていた。
その後、色々あって結局当日の朝の出発でいいだろうということになった。
一週間が過ぎるのは早い。
11月に入ってキーポンが2回目の受験日をむかえた。

今月はアチコチの自治体で文化祭が行われる。
石見銀山も現代彫刻小品展を行った会場で文化祭が行われる。
民生委員や婦人会など、町内の幾つかの役職を引き受けているワイフはとても忙しい。
それに加えて私の方が別の自治体の文化祭へワイフの彫刻を展示しようと言い出したものだから、余計に忙しくなってしまった。
これに各地の神社で秋の大祭が始まったりして毎週誰かが何処かで用事があってこの時期の田舎暮らしはあわただしい。
吉田家の場合はキーポンの受験も加わったものだから近年になく目まぐるしく毎日が過ぎている。

結局はどれもこれも避けて通れないことなので、夫婦で手分けをしたり、もしくは一緒に行動したりして付かず離れず適度な距離を維持しながらお互いに用事が偏らないで分散できるように調整して乗り切ろうとしている。
今回も、どうせ慌ただしさが変らないのなら家族三人で一日を一緒に行動してしまえばその方がかえってシンプルにストレス無く過ごすことができると思って早朝から石見銀山を離れたわけだ。

松江へ着いたら他の受験生も似たような感じで、お父さんが運転したりお母さんが運転したりして家族三人の車が駐車場へ並んだ。
時間がきてキーポンが試験会場に入ってからワイフと久々に・・いや、何十年ぶりに映画館へ入った。
暇つぶしも兼ねているが、こういう時の家族がバラバラだとお互いにいらない詮索をしたり、場合によっては気がつかないままそれぞれ勝手に「〜のにシンドローム」に陥ったりして、それでなくてもそれなりに受験生の不安を家族が共有しているわけだから精神衛生上よろしくない。
キーポンも、「自分が緊張して受験している間にオヤジ達はのんきに映画を観て楽しんでる・・」くらいに思っておいた方が、親の期待の重圧を感じないですむ・・などと都合よく理由をつけた。

土曜日の朝の映画館なのに目茶苦茶空いていた。
吉田夫婦と、あとご婦人がひとり。
結局都合3人の貸し切り状態でのんびりと映画の世界に浸った。
数年前に直木賞になった「蜩の記」は、丁寧につくってあってとても良い映画になっていた。
なんとなく心落ち着かなく気持ちの潤いも消えてざらついた毎日を過ごしていたから、感情の湿り気が戻ってきたようで清々しい気持ちで席を立てた。

携帯電話の電源を入れたら、着信が山のように入っていた。
寺からの着信もある。
「これは、葬儀だな・・」
一瞬で確信して現実に返った。
これから年末年始にかけて七日務めがしばらく続くことになった。

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