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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

老化 

2014/11/27
Thu. 08:19

三連休の後、平日の仏事が続いた。
山寺の和尚さんとしては1年に5回とない珍しいことだ。

最近は、法事というと土日祭日に集中することがほとんどだから、坊主家業はせいぜい一ヶ月に3〜4回あればいいくらいのものだが、今年の秋は珍しく法事が集中して宗門手帳が赤と黒で染まっている・・・といっても、ほとんどが黒だけど・・・
つまり・・・
黒は彫刻を中心にした個人スケジュール。
赤は万善寺関係の法事を中心にしたスケジュール。
そうやって、一冊の手帳を使い分けているからそのように染まってくるわけだ。

それで、職業病のようなモノかも知れないが、11月に入ってから足の古傷を中心に痛みはじめて慢性化しつつある。
日常の暮らしで鉄板入りの安全長靴を履いたりしているときが一番つらい。
面白いもので、お経で正座をしてしまうと、普通に20〜30分座り続けているし、法事の時などお斎膳も含めて2時間以上断続的に正座が続いたりしても、その時は結構平気ですぎてしまう。
それが、自宅に帰って、ひと晩過ぎて、次の朝になって大変なことになっている。
自分の足が何処かへ行ってしまったように別物の如く痛くなっていて何かに伝い歩かないとまともな歩行が困難になっていたりする。

先日、久々に老僧を買い物に連れ出した。
ドライブの間は、秋の紅葉を愛でたりして上機嫌で、新しく出来たスーパーへ寄った時も目を輝かせてウキウキしていた。
手押しのカートに買い物カゴを乗せて自分の好きなものを買ってもらうようにしたのだが、それほど大きくないスーパーのコーナーを2つばかり曲がったあたりから急に動きが鈍くなって、しまいにはカートにしがみついたまま歩くことが出来なくなってしまった。
なんとかしてレジを済ませている間もセルフカウンターに腰かけてぐったりしていた。
外での買い物は8月以来のことで、たった3ヶ月の間にここまで脚力が弱っているとは少々驚きだった。
老人はこうやって少しずつ動くことがつらくなって、そのうち動きたくなくなって、気がつくと動けなくなって、やがて寝たきりになっていくのだろう。
おかみさんは、もう何年も前から膝が固まって曲がらなくなったままヨチヨチ歩いたり這ったりしている。
日常のほとんどは精神力と意地で暮しているようなものだから、心の支えがあと二つ三つなくなったり折れたりしてしまったら一気に寝たきりになってしまうだろう。

気がつけば、年寄りが高齢者に手を貸して親子一緒にヨチヨチと危なげに歩いている。
今さらジタバタしてもどうにもならないことだが、バリアフリーの安全対策に甘えすぎるのもどうかと思う。
山は山で谷は谷でそう簡単に平らになるわけでもないし、至れり尽くせりの老人社会にも限界がある。
他人や社会に甘える心が育ってしまうと、もう後には引けない。
厳しいようだが、年寄りは年寄りなりに自分を律して潔くしないといけないし、それが歳をとる自分の務めだとくらいに思って毎日を生きてほしい。
今さらジタバタしないで、カッコよくヨチヨチとはいずり回って生きたいものだ。

炬燵布団を占領しているクロがものすごい形相で大あくびをした。
法事の先で出合った黒猫は吉田クロによく似ていてビックリした。
もうかなりの老齢猫で動きがとてもゆっくりしているが無駄がない。
鳴声もドスが利いて渋い。
毛並みはキューティクルが破壊してボサボサ。
2時間の法事が終わっておいとまの寸前にその老猫がさり気なくすり寄ってきた。
法事の間中、怪しげな坊主を延々慎重にさり気なく品定めしていたのかもしれない。
その老猫に吉田クロの行く末を見る気がした。
彼も天寿を全うすればそうやって老化していくのだろう。
・・・さて、オヤジとクロとどちらが先にこの世からおさらばするのかな?

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