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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

御札 

2015/01/18
Sun. 10:55

吉田家の女性達は先ほどまでそれぞれオシャレにゆっくりと時間を使い、やっとイソイソ買い物へ出かけた。
一つしかない洗面所は、1時間以上もキーポンがこもりっぱなしでオヤジの入る隙間もなくて、顔も洗えないままストーブの世話をしたりネコと戯れたりして落ち着かない朝を過ごした。それでも久々にこころおきなく1日中デスクワークのあれこれをダイニングテーブルへ広げることができるから、少しばかりウキウキしている。いつもは四畳半の書斎で全てをまかなっているが、やはり空間が広がるとそれなりの解放感もあって、仕事もはかどるような気がする。
なにはともあれ、ワイフがつくっておいてくれたコーヒーをすすりながら、限りなくお昼に近い朝のティータイムを過ごしている。

年末から刷りはじめた1年分の御札各種がやっとほぼ刷り上った。何回かに分けて祈念のおつとめをして、香をくぐらせたものをお配りする。万善寺周辺のお檀家さんと保賀地内にはすでに年始回りで配布を済ませた。これから遠方の檀家さんや日頃お世話になっている方々へ発送の準備に入る。

毎年のことだから御札各種も大量に印刷すればすむことだとも思うが、どうもその気になれなくて私が住職になってから後、明治の版木を復刻して手刷りするようになった。
版木の側面には、制作者の彫師名と発注元の当時住職名と代金と納品月日が書いてある。私の代から数えて4代前の住職代に制作されたものだ。今ではせいぜい多くて80枚くらい刷れば1年分になるが、当時はかなりの枚数を刷っていたのだろう。ひょっとしたらお檀家さんのお手伝いも頼んでいたかも知れないし、今でいう期間限定のアルバイトのような役僧を使っていたかも知れない。そんなことを思いながら刷って守護印を押し続けた。

おもえば、一銭にもならない仕事を何日もかけてセッセと続けている。
全てがお金で動く今の世の中に、非現実的な行為をくり返していることになるが、それでいいと思っている。
むしろ、せめて自分の代だけでもそのくらいのことは面倒がらないで続けた方がいいと思っている。それで、今から3年前だったかに厄除け札「立春大吉」の版木を自分で作り足した。これには節分の鬼退治にからんだなかなか面白い謂われもあって、紙も和紙のように薄くて丈夫なものがいいとされている。
仏教とか信仰が縁遠くなった今の世の中、端くれ坊主の私にはこの程度の事しか出来ません。

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