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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

転機の日 

2015/04/19
Sun. 20:43

なんかいやだなぁ〜と思いながら生活のこともあって背に腹は代えられないので、彫刻の制作工房を町の小さな鉄工所に切り替えた。
年度末になると思い出したようにこまかい受注が入って、春の嵐のように一波乱ある。この数年は、3月の末もそれほど鉄工所の仕事が無くて鈍ったからだに慣れていたところなのに、今年は珍しく一気に幾つかの仕事が入ってストックの材料もないし結構あわてた。

先週に年度末の注文を納品してひとまず落ち着いたので、連休のイベントで出前するワークショップの試作を造りはじめた。
滞在時間がせいぜい30分以内だから、それで造って持って帰ってもらえるものを考えるのだが、それぞれのシーズンにあわせた素材を用意したほうがいいと思うからそれなりに悩む。
結局、今年の春バージョンは電池式のリューターを使った小物づくりに絞って素材を決めた。1日の5時間くらいのことだから儲けようとも思わないのだが、ワイフに云わせるとそれがダメだといつも叱られる。それでもネタを探したり工夫したりして知恵を絞っているのは自分だし、だいたいいつもそれなりに意地も決定権も自分にあるわけで、今の儲けにはならなくても先々の島根の造形芸術文化興隆の布石にはなっているはずだと都合よくでかく正当化して自分の考えは曲げないことにしている。

このところ、老僧夫婦の寺暮らしが機能しにくくなっているので、一週間のほとんどを年寄りの都合にあわせて暮している。それに地域の年中行事もあるから彫刻を制作する時間をつくることが年々難しくなっている。
毎年のこの時期に行われる公道脇の空き缶ゴミ拾いが小雨の降る中今年も行われて、カッパを着込んで早朝の1時間ほど保賀地区の皆さんに付き合った。国道沿いだから軽トラ一杯の空き缶やゴミが集まる。朝飯前の勤労奉仕を終わって寺へ帰ったらおかみさんがひとの都合を無視して愚痴をしゃべりつづける。昔はこんな性格の人でもなかったが老人になると取り戻せないほど人格が変る。入院を境に老僧もやたら過激な老人になってしまったからそのままにしておく訳にもいかないし、意を決してこれからは生活の拠点を寺暮らしに切り替えることにした。
そういう決心をしてワイフに意思を伝えようと意気込んで石見銀山の自宅前駐車場へ結界君を止めたところで電話が鳴った。大学時代の同級生からだった。
また同級生が一人死んだ。長い闘病の末の壮絶な死だったらしい。
大学の同級生というと私の時代は80人にも満たない。専攻専科になるとそれがもっと激減する。それぐらい濃いメンバーがそれぞれ社会の第一線で仕事をしている訳だから強烈に濃厚だ。
私など生まれた時から坊主から切れない宿命を背負って生きてきたから造形とか芸術とか社会のアドバンテージの先端を生きる彼等よりは有る意味でずっと気楽でいられる。それでも、こうやって才能豊かな友人がこころざし半ばで逝ってしまうのは残念でしょうがない。
自分にとっては今後の人生の転機にもなるほどの大きな一大決心でワイフを説得しようと意気込んでいたのにその思いはケチな泡と消えた。

赤字すれすれのワークショップの試作がやたら虚しく見えた。
「いいんじゃない!」ワイフの一言は本心なのかなぐさめなのか・・・
まぁイイヤ!今の俺にはこのくらいしか出来ないし!

IMG_5072.jpg

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