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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ポークジンジャー 

2015/05/23
Sat. 22:40

豚肉の生姜焼きをはじめて食べたのは、上京してすぐに暮しはじめた祖師ケ谷大蔵のレストラン喫茶だった。
2階は麻雀屋になっていて、そこに入り浸っていた私より1歳年上の日大商学部のOさんが、時々1階に降りてその豚肉の生姜焼き食べていた。
鉄板の上でジュウジュウ油が跳ねてやたら美味そうだったので思いきって注文したら、薄切りの豚肉が2枚にニンジンとじゃがいもとブロッコリーの温野菜が添えられていて、それにライスが別皿でついてきた。学生でも手が出せるくらいの値段だったが、やたら贅沢をしているように思えた。
その店のメニューでは、「ボークジンジャー」とあった。その他に、「ポークソテー」もあったが、私はとにかくポークジンジャーが大好きになった。

Oさんとはその後少しずつ仲よくなって、話す機会も増えて時々私の四畳半へも遊びに来るようになった。
それで、私が絵を描いている事を知って、自分は詩を書いて新宿の地下道で売ったりしているということを教えてくれた。印刷製本された詩集を何度か見せてもらったが、なかなか文学的で、視覚的な構成も考えられていて、凄い才能に感心した。
そのOさんが、連れていってくれた中華屋さんにも生姜焼きがあった。
その店の生姜焼きは、豚肉を生姜醤油のタレに漬け込んだものを野菜と一緒に炒めてごま油の風味をきかせた中華風の味付けだった。メニューは「生姜焼き定食」で、どんぶりのご飯と確か中華スープがついて、これも捨て難い美味さだった。ポークジンジャーより50円ほど安かったと思う。ボリュームはこっちの方が上だったが、やはりナイフとフォークを使って食べる方が贅沢感は上だった。

美術の受験勉強は新宿御苑前の学校へ通っていた。
その学校へ行く途中にサラリーマン相手の喫茶店があって、そこでは平日の昼に日替わりランチタイムがあったから、バイトのお金が入ってふところが暖かい時に時々贅沢をした。
恥ずかしい話だが、クリームコロッケとハンバーグとメンチカツはその店の日替わりランチではじめて食べた。
そして、本当にまれに日替わりランチで豚肉の生姜焼きを食べる事が出来た。その生姜焼きは、大きな洋皿に少し厚切りのジューシーな豚肉が乗って、それにタップリキャベツとトマトとキュウリが添えてあって、ごはんは別皿でデミコーヒーがついた。
この喫茶店でもメニューにはポークジンジャーと書いてあって、日替わりランチでないものは、その厚切りの豚肉が2枚ついて、なかなかのボリュームだったが値段の方もなかなかだった。

時々ワイフがいない時に、よく子供たちへ豚肉の生姜焼きをつくってやった。けっこう評判が良くてみんな美味しいといってくれる。
寺暮らしが続くと夕食のおかずをつくる機会も増えて、農協のスーパーで買い物をして、おかみさんへ生姜焼きをつくってあげたりする。ほとんどがバラ肉と野菜を一緒に炒めてあらかじめつくっておいた生姜焼きのタレをかけ回して味付けするくらいだが、まあそれなりにそこそこ美味い。
おかみさんは自分ですすんで肉類を食べようとしないから、ごはんの上へ生姜焼きをぶっかけてどんぶりにしてしまう。
ほかにも、牛のバラ肉を使って牛丼にしたり、鶏のもも肉で親子丼にしたりしてしまうと、ごはんを食べない訳にはいかなくなって、完食してくれる。

生姜焼きをつくるたびに、あの3種類の味を思い出す。どれもそれなりに美味かった。いまだにあの味を越える生姜焼きに出会う事がない。
もっとも、外食する機会もほとんど無いけどね。

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