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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

意気交流 

2015/06/04
Thu. 22:49

例の如く古本をペラペラめくっていたら、「誠心や和気、愉色や婉言があれば意気交流す」とあった。
オヤジ流に都合よく解釈すると、「まごころをこめてまろやかな気持ちで、愉快になごやかに語らえば、お互いの気持ちも自然に通じあうものさ」とでもいうことになろうか・・

母息子二人の寺暮らしは、なかなかこういうわけにもいかなくて苦労する。毎日の暮しから笑顔が消えてもう久しい。
私がどれほど母親の性格を引き継いでいるか自分ではよくわからないが、これから先、私もあの母親のように老化していくのだろうかと思うと気が滅入る。それでもわずかな救いは、私に半分ほど老僧の性格が入り込んでるはずだということと、血液型は老僧と同じだということ。これがあるだけでも大きな救いになっている。

気分屋のおかみさんが病院へ行くと云ってくれた。とてもありがたいことだ。今日一日は久々に心置無く寺の営繕作務に集中できる。これから梅雨が避けて通れないし、老僧の老衰も進んでいるから、この一週間が何かと慌ただしく過ぎていくことだろう。
本堂や庫裏や境内の状況を総合的にみて、自分一人でできることは「どれだけがんばってもせいぜいあのくらいだろうなぁ」と、おおよそ予測できる。あとは、「その予測にどれだけ近づくかということだ」と考えを整理して、ひとまずは野外の営繕からはじめることにした。さすがに雨の中をカッパを着てまで仕事したくないし、エンジンの草刈り機やチェンソーは使えなくなるしするから、いまのところ選択肢はこれしかない。
ちょうど、草が一番勢い良く伸びる頃でもあるから始末が悪い。今日1日の作業でもう3回目の草刈りになる。伸び切ってはびこったサツキを刈り込むのも何年ぶりになるだろう。
おかみさんがまだ若くて元気な頃に挿し木から増やした曰く付きのサツキだから、なかなか手を付けられなくて今に至った。生命力の強い木だから、根元からバッサリ切り倒してもまた新芽が伸びてくれるだろうが、今の時期にそこまでするとおかみさんの落胆は計り知れないものがあるだろうし、ビビリのチキンボウズはさすがにそこまでの勇気がない。

草刈り機を振っていたら胸のポケットに投げ込んでいた携帯電話が鳴っていることに気づいた。
「明日命日なので法事できませんか?」
「えっ??明日ですか?」
「家族全員揃わないんですけど、次はいつ帰られるかわからないというものですから」
「それは急ですねぇ。塔婆のこともありますし・・」
「はい!塔婆はもう買ってありますのでお願いします!」
なんと強引なことだと思ったが、他に法事の予定もないし、この物入りの時期の布施収入もありがたいことだと思うことにした。

我が娘に先立たれたその施主さんはこの近年一人暮らしが続いている。
寺の母息子二人暮らしもなんだかんだ色々あるし、なかなかすんなりと「意気交流」とまではいかないものの、それなりに幸せな方なのかも知れない。

IMG_5518.jpg

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