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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

溺れる 

2015/06/09
Tue. 20:00

ワイフの彫刻搬入が心配だったから夕方になって電話をしてみた。
案の定携帯の不携帯で結局すぐに通じることはなかったものの、それから30分位して着信が入った。
少し気になることもあるらしいが、ひとまず無事に展示作業は終わったようだ。

まとまった時間もなく、集中も続かないまま無駄に時間が過ぎるばかりだった展覧会業務だが、やっと現代彫刻小品展のポスターとチラシの表原稿が出来た。
寺にWi-Fi無線環境がないので、思うように仕事がはかどらない。パソコン仕事を低予算で楽に使いやすいようにしようと、この数年間で作業中のデータをウエブディスクへ切り替えるなどしていたら、結局それが災いして今になって仕事の効率が悪くなった。
こんなことなら、OSのアップデートなどしないで、そのまま5〜6年前の環境を維持しておけば良かったと思い返しても今さらどうなるものでもない。
なんでも新しければ良いという訳でもないということがよくわかった。

もう10年近く前のことになるかも知れないが、まだOSが9の頃から重宝していた文字変換と総合ワープロソフトがあった。
日本語の変換能力も高いし、ドロー環境もこなれて使いやすいし、なによりワープロの縦書き機能が便利で、自分にとってはこの上もなく使い勝手の良いお助けアプリだった。
まがりなりにも坊主家業のはしくれで仕事をしていると、縦書き文字は欠かすことの出来ない必需品だから、簡単にそれらの仕事をこなしてくれるところなど、感涙モノだ。
ところが、そのメーカーはそのうちOSのバージョンアップに動作環境の対応がついていかなくなって、結局更新や開発を断念して、商品サポートも終了して、静かにパソコンの世界から撤退してしまった。

寺の前の田んぼは、大型の田植え機が入って半日足らずでいっきに田植えが終わった。
その後、苗の根付きとともに株が少しずつ増えてきて、水田らしく青々とした稲が生長しはじめているが、なんとも不揃いでブサイクだ。
見た目は昔と変らなく見える田んぼも、お百姓さんの高齢化が進んでしまって、今ではほとんどが営農組合へ耕作委託されてしまった。そうなると、農作業の全てが機械化されて味気ないものになってしまった。
不揃いの稲株。刈り残しが目立つ田の畔。除草剤散布で黄色く変色した農道。たぶん、田んぼのおたまじゃくしも激減していることだろう。

なんでも便利になって人手から機械化に替わって生産性も向上してきたのかも知れないが、一方でスピードや便利さには替えられない丁寧で濃密な気配りの行き届いた人の手数の貴重さが確実に失われてしまっている。
過疎の進む山寺の周辺では、細く曲がりくねった畦道の続く棚田が、大きな農耕機が使えないという理由で軒並み耕作放棄されて葛のはびこる荒地に変った。
日進月歩の波を読むのも難しいことだ。
気がつかない間にその波に溺れてしまっていることも結構あるような気がするな。

IMG_5527.jpg

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