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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

女子美術大学創立115周年記念山陰女子美展2015 

2015/06/15
Mon. 20:38

島根県を代表する女流彫刻家の吉田満寿美が、松江の県立美術館へ大作1点と小品2点を出品した展覧会が最終日を迎えた。
今頃は、搬出も終わって打ち上げで盛り上がっていることだろう。

いつも何かと迷惑ばかりかけているオットとしては、搬入も搬出も手伝えないからといって無視を決め込むのも良心が許さないので、最終日になってやっと会場へかけつけた。
展覧会タイトルは「女子美術大学創立115周年記念山陰女子美展2015」と、とても長い。この長いタイトルに1世紀を超える伝統の重みをヒシヒシと感じた。
出品点数は、作品タイトルだけでも70点を数え、素材ジャンルも多岐にわたって、年齢層も幅広く、なかなか女性作家らしい華やいだ展覧会になっていた。

前から美術館へ行くたびにそう思っているのだが、残念だったのは、美術館常設備品の何とも場違いな展示台が、会場全体の統一感をダメにしていたことだった。立体に対する美術館スタッフの認識の軽さがこういう時にバレてしまう。
ようするに、島根県立美術館の一般ギャラリーは、平面中心の展示に特化した造りになっているということ。創立時の建設審議委員メンバーが平面中心に組織されていたからだろうが、これはあくまでも確たる証拠もないまま私が個人的に想像しているだけのことなので悪しからず。
まぁ、そういう訳で、立体の展示に関しては、やはり自前の展示台を持ち込みするくらいの覚悟で展示しないと、あの美術館ではなかなか彫刻の展示レベルは上がらないなと思っている。
彫刻と展示台を含む空間配置構成は、絵画と額縁の関係とドッコイくらい重要なバランス要素を意識する必要がある。出品する作家の方も、丹精込めて制作した1点をもっと大切にして最大限の展示効果を狙ってほしいと、立体の展示作品を見ながら変なところで躓いてしまった。

今回出品した吉田満寿美の大作彫刻は、昨年の秋に六本木で発表したものを島根の皆さんへも見ていただこうということで、いわば凱旋展といった意味合いが強い。
六本木では狭い会場へ大作がひしめいているから、これでもかというほどいやらしいくらいの押し出しの強さがないと数ある彫刻に埋没してしまうが、今回のように広々とした会場へ伸び伸びと展示してあると、作家の持つ本来の魅力がシンプルにダイレクトに伝わってきてなかなかいい感じに見ることが出来た。
反面、小さなミスや制作の甘さがバレてしまうこともあるので、そのあたりに十分な神経を使う必要がある。ダイナミックなだけでは人の心を引きつけて記憶に留まるところまではいきそうにない。細部にまで気持ちを込めた繊細で正確な仕事も出来ないといけない。

今回の展覧会で彼女の彫刻を見て、将来の何れかの時に、一度は現在のテーマに則した一連の作品を一堂に集めた回顧展が出来るといいなあと、漠然と感じた。彼女の彫刻はどちらかというと劣化が早いから、メンテナンスも早い時期にすませて、テーマの一区切りにしてみるのも良い。そろそろ違ったタイプの彫刻を見てみたい気もするし・・・

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