工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

マムシ 

2015/07/26
Sun. 23:31

現代彫刻小品展も、残すところあと1日になった。
ワークショップ後半も、本日で終了。

今年の現代彫刻小品展は憲正さんの本葬と完全に重なってしまって、彫刻家としても坊主としても、とにかく至るところでアチコチに迷惑をかけることになった。
それと、絶妙のタイミングでやってきた台風。
搬入の作業は台風の影響でどうなることかと気をもんだ。その上、搬出作業の当日を狙ったように、また台風がやってきている。
ここまで絶妙のタイミングで色々な悪い条件が重なってくることなど、自分の人生でそう滅多にあることではない。
・・・何とも得難い貴重な10日間が終わろうとしている。

それは、まだ本葬前のある日のこと・・・
本葬準備の寺務に追われて荒れ放題に手付かずの万善寺境内を、せめて少しでも見栄えよくキレイにしておこうと、草刈りしたり掃き掃除したりしていた時・・参道から本堂の前庭に登りきった門柱の脇で、1匹のマムシがきれいにとぐろを巻いて日向ぼっこをしていた。こちらが彼(または彼女)へ気づく前に、すでにマムシの方は私の気配を感じていたようで、気だるそうな仕種で少しだけ頭をこちらへ向けてきた。
その日光浴の場所は、もうずいぶん前からマムシの定位置になっていて、そのあたりを中心に半径3〜4mくらいの範囲でよく見かける。
そもそも、マムシはどのくらい生き続けるのだろう。
どう考えても人間ほど長生きすることはないだろうが、万善寺の境内で住み暮すマムシ君(またはマムシ嬢)は、私がものごころついた少年時代からだいたい毎年定期的に目撃するから、延々と世代交代して血縁を引き継ぎながらほぼ同じ場所で住み暮し続けているはずだ。おまけに今日は同じ場所でシマヘビが尻尾をのぞかせていた。蛇の道は蛇のごとく、似た者同士、彼らはなかよく近所付き合いをしながらそれなりに平和に暮しているのかもしれない。

少年時代の残酷な自分をふと思い出した。あの頃は蛇の殺生など平気で遊びの一つだった。蛇を殺すことが快感だったふうに記憶している。
今にして思えば恐ろしいことだ。
おかみさんがマムシを目撃してしまうと、その日からあきれるくらいに執念深くわざわざ毎日様子を確かめて、鎌や鍬を武器にして確実に殺すまで諦めることをしない。
さすがにおかみさんはマムシを殺すことを快感に思っている訳でもないだろうが、ひょっとしたら自分も気がつかないまま長い歳月の中で生物を殺すということに慣れきっているのかもしれない。それもまた恐ろしいことだ。

台風の影響なのだろう、夜風がしだいに激しくなってきた。
展覧会最終日は、はたして何人の来場があるのだろう?
自然を相手に心配を巡らせても仕方がない。なるようにするしかない。

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