工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

聞き覚え 

2015/08/08
Sat. 21:16

200回忌の法事は、お盆の月でもあるし先祖供養ということで、何時もと違うスタイルをとった。

西国三十三ヶ所御詠歌を使って塔婆回向をする慣わしは憲正さんから教わった。
教わるといっても、学校で勉強するような感じではなくて、聞き覚えというやつ。
何度となく憲正さんの塔婆供養へ同行して侍者をしながら聞き覚えたものだ。
その憲正さんもその前の師匠から聞き覚えたものだから、長い間に自己流の節回しが少しずつ加わって憲正流の塔婆回向になっていた。
結局は私など憲正さんと全く同じ節回しなど出来る訳もなく、ブレスの箇所やフレーズの間などをだいたい踏襲しつつ、何年もかけて場数を踏みながら自分でうたい上げやすいように改良して今に至っている。
そういうこともあって憲正さんの存命中は、彼の前で塔婆供養をうたい上げることを一切しなかった。
まぁ、自分の未熟さがあるということもだが、彼に敬意を示すためでもあって、参詣の皆さんが彼のスタイルを信心の拠所として記憶しておいてほしいと思うところもあった。
万善寺のお盆法要はまだ先のことだが、塔婆供養のご案内だけは文書で示しておいた。
一人でも施主さんからの要望があればそれに答えてうたいあげるつもりでいる。

そこで、そのささやかなプレイベントとして本日の法事に施主さんのお仏壇の前で西国三十三ヶ所をうたいあげた。
現在の当主は、仏教仏事に興味がなくて、その上貴重な休日だからだろう、法事の最中も自室へこもってテレビを見ていた。
なんとも味気ない法事になったが、それでも信心深くてご先祖様を大事にお守りしていらっしゃるおばあさんが熱心に伽をされて、お経の唱和もしていただいた。
憲正さんの透き通るような美声とコロコロ回る節回しには遠くおよばないものの、声量の方は十分だったように思う。
それに何より、おばあさんにとても喜んでもらえて、「私一人で聴かせてもらうのはもったいないことで・・」との感想をいただいた。

塔婆回向も終盤に近づいた頃、またまた強烈な夕立がやってきた。
例の如く、結界君の窓ガラスがフルオープン。
苦労して一昼夜かけてやっと乾かしたところだったのに全てが無駄になったどころか、今日の夕立は猛烈な風を伴って大暴れした。
結界君の助手席にあった荷物一式全てずぶ濡れ。
あのジョン・レノン眼鏡のケースもグッショリと濡れてしまった。
一方、雨のおかげで連日の猛暑は若干おさまった気がする。
夕立が去った赤来高原は、とても爽やかな風が吹き抜けていた。

寺へ帰るとおかみさんの顔が醜くよじれていた。とにかく、必死で生きている様子がヒシヒシと伝わって可哀想になる。もっと気楽になれたらどんなに楽なことだろうに・・・吉田家のネコチャンズみたいにね。

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