工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

蔦の壁 

2015/09/04
Fri. 21:59

石見銀山の暮しが再開してから、フル稼働の毎日が続いている。
新企画の準備もあと1週間が正念場というところ。
彫刻制作の方は、今年の前半休止していたツケをいっきに取り返す必要に迫られている。
寺の方も、七日務めが11月まで続き、その間に教区の護持会や憲正さんの百か日やお彼岸にお地蔵さん供養と絶え間がない。
普通だと、身体がいくつあっても足らないほどの忙しさなのだが、それを10年ほど前と同じようにフルパワーで乗り切ろうとすると、それこそ身体がバラバラに壊れてしまう。
歳相応にノラリと乗り切る術を駆使しながらそれなりにユルイ毎日を乗り切っている。

吉田家の営繕も思い起こせば半年ほど手付かずのままになっている。
駐車場には、ワイフのカーゴが伸び切った草むらへ突っ込むように停まっている。
私の結界君も、運転席へ乗り込むまでに雑草に溜まった朝露で雪駄がビッショリと濡れる。
裏庭はジャングル状態で足を踏み込むことも難しい。
まがりなりにも家長である私が留守の間、ワイフが1人で家計を切り盛りしながら暮していたわけだから、こういう状態を咎めることはできない。

秋雨前線がしつこくて、なかなか思うように晴れてくれない。
この数日は、トタン屋根を叩く激しい雨音で深夜に目覚めてしまう。
しばらくしてウトウトすると夜行性のクロが鳴き始める。
またしばらくしてウトウトしはじめると隣のキーポンがシュラフを横取りしはじめる。
だいたい夜が白むまでそういう状態がくり返されるから、このところ慢性の寝不足で四六時中眠たい。
真夜中にYouTubeをチェックしたり整理したりして暇つぶしをしながら翌日のスケジュールを固めたりしている。

自分の仕事は自分の都合でいくらでも調整できるから、まず最優先は吉田家営繕に尽きるだろう。
草木の方は人の都合を待ってくれないから、見過ごすことはできない。
昼の用事を切りの良いところで片づけて、まずは駐車場で草刈り機を振り回した。
砂利石が跳ねて容赦なくスネを打つ。予測して長めの長靴を履いたがなんの役にもたたなかった。日が落ちて手元が見えなくなる頃には、スネからフトモモニかけて無数の赤い斑点ができた。
風呂に入るとその斑点が滲みる。
しばらくするとひとまずは慣れるが、石鹸を使いはじめるとまた滲みる。

駐車場ののり面にビッシリと張り付いた葛や蔦の葉が形状本来のディテールをスッポリと包み込んで圧倒する。始末の悪い雑草も、こうして伸び伸びはびこるとそれなりに美的に見えるところに自然の奥深さを感じる。
その日の労働の痕跡を身体で感じつつ、ゆっくりと湯に浸かりながらそんなことを思い出した。

IMG_0924_201509042156521f2.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/2079-89188760
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-10