工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ボクの根性? 

2015/10/01
Thu. 22:23

台風崩れの低気圧で島根はすごいことになっている。
昼過ぎから石見銀山を出発して、東に向かって約1時間走って、それから南下して30分。
出雲のあたりで郵便配達の赤いバイクのお兄さんかおじさんが台風並みの風に煽られてフラリと倒れる寸前で体制を立てなおしていた。対向車もいなかったから大きく迂回して彼を轢くのを免れてそのまま結界くんを走らせるものの、斐伊川土手に入って風を遮るものの何もない車道を走るときは結構緊張した。夕方に寺の用事を終わって帰宅するときもまだ風が強くて、その上に雨脚も激しくなって視界がすこぶる悪い。
自営業の自由人としては、その日の気分でその日のスケジュールをどうにでもしてしまうことに普通に慣れているから、こういう悪天候で外出しているのも年に五回と無いだろう。

ちょうど、六本木の彫刻搬入の日で、坊主会議の最中に絶え間なく電話が入った。出席の20名近い坊さんたちはさぞかしイライラしていたことだろう。こっちも大事な外せない用事だから、彼らを無視して電話の対応にドタバタと落ち着かないまま時間が過ぎた。島根が六本木より西ということもあって、幸い今日1日は東京の方まで風雨の移動がなかったから彫刻搬入はそれなりに上手くはかどったようだ。暗くなってから帰宅してすぐに埼玉在住の作家仲間(というより、偉い審査委員の先生!)へこの度の搬入の不都合の迷惑の失礼の念押しの電話を入れておいた。いつもは気楽な飲み友達でもあるから、お互い忌憚のない意見交換をしあって、再会を約束して電話を切った。

「会員の○○さんが退会したのよ・・」
会話の終わりの頃になって、そういう話が出てきた。
その○○さんは、もう随分前から私と同じように東京から遠く離れた田舎町で精力的に彫刻制作に励んでいた田舎彫刻家の一人だった。
東京を起点に考えると、彼と私の距離は倍半分ほど違って、島根が遠い。彫刻の制作や発表に本展会場との距離のことなどどうでもいいことだが、一方では、制作の実費以上に搬入出の必要経費がかかるし、そちらの方はやはり遠ければ遠いだけ出費も増す。私など、コツコツと500円貯金などしながらその必要経費を1年かけて貯めるように工夫しているが、実際にはそれでも厳しい現実が待っていることのほうが多い。今回も、貯めこんだシンガポール貯金(経緯は内輪のことで多くは語りませんが・・)を若干切り崩して材料代と旅費に当てた。こんな感じで色々苦労しながら細々と彫刻を造り続けているわけだが、彼の場合はその制作に対する造形の枯渇と意欲の減退が結果として退会に結びついたのだろうと、勝手に自分なりの解釈で納得しておくことにした。
まぁ、打算ばかりの付き合いで始まったことは、結局打算で終わる。本当にコツコツといいものを・・自分で納得できるものを・・作り続けることにはそれだけの覚悟が必要だ。
さて、ボクにはそんな根性がどれだけあるんだろうねぇ〜

強風のせいでガタピシの吉田家のドアが開いてネコチャンズが脱走した。クロの執念深い根性は「大脱走」に匹敵する。クロもシロもだいたい小一時間ほどフリータイムを楽しんで、ずぶ濡れになって帰ってきた。
さて、ボクにはあいつらのような根性あるかなぁ〜・・・

IMG_0578 (1)

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/2106-3a2c38da
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-06