工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

秋の夜風が身にしみる 

2015/10/05
Mon. 23:55

銀山街道沿いの田んぼは、万善寺へ往復するたびに稲の刈り取りが進んでいく。
ついこの前まで黄金色に美しく輝いていた田んぼは、1日のうちにコンバインの痕跡と稲株だけが見苦しく残って味気ない。

10月に入って曹洞宗の衣替えになった。
朝からショウノウとカビの臭いが入り混じった冬モノの改良衣に着替えてお地蔵さんの供養法要へでかけた。
そのお地蔵さんは、昔々、まだ国道が開通する前までは当時の行政の境にある峠のてっぺんに安座されていた。
私が中学生になって学校まで自転車通学が始まった頃から国道の拡幅改良工事が始まって、少年の頃から見慣れていた風景がみるみる変わっていった。峠のお地蔵さんもその頃に始まった工事の影響で遷座されることになって、その時にお経のお勤めをしたのが今は亡き憲正さんだった。その関係で、その頃から万善寺がお地蔵さんの供養をするようになった。
時間ピッタリに石のお地蔵さんが安座されている場所へ到着して、すぐにお経を始めた。
集団にハグレたのか、一匹のミツバチがお地蔵さんの近くで弱々しげに飛んでいる。お供えの花瓶の花に絡みついてなかなか離れない。

他の地域は知らないが、島根県の9月から10月は、ひょっとしたら1年で一番いろいろ雑多なイベントが多くなる。それに加えて、彫刻にかぎらず秋の文化祭に向けて作家のみなさんにとっては、寝る間も惜しんで制作に励む、1年で数少ない時期でもある。
私も例外なくせっせとコツコツと制作が続く。
制作中はそれほど気にならない節々の痛みが、搬入も終わってしばらくしたこの時期になって一気に我慢の限界を超えてきて普通に動くことも厳しくなる。特に朝の起きがけはそれがひどくて、目が覚めてからひとしきりは布団の中で固まった節々をほぐすためにイモムシのようにイジイジと動きながら関節を柔らかくする。

数日前からワイフの動きが急に老けて見える。
ワイフより3歳ほど年上の私は、彼女が数年遅れで私の後を追いかけて老化していることが手に取るようにわかる。
何気なくさりけなくそれとなく見聞きして情報を繋いでみると、どうやら、彫刻制作で休みなく動かし続けていた右の肩が上に上がらないほど痛くなってきたらしい。それに、前々から調子の悪い膝の痛みが慢性化し始めたものだから、どうも日常の動きがぎこちなく大振りになってしまっているようだ。
彫刻も円熟味が増して、これから益々完成度も高まって面白くなり始めた頃だというのに、身体の方が思うように動かなくなり始めている。このままだと、次回の大作あたりから少しずつ制作の手助けが増えるかもしれない。自分のことで手一杯の現状をもう少し整理していかないと次の展開が躓く恐れもある。
とにかく、最近は無理が効かなくなってきた。秋の夜風が身にしみる。
遅れていた衣替えを進めながら、久しぶりに取り出した敷毛布に電源を入れて試運転をしていたら、何処からかネコチャンズがやってきてその上で寝始めた。

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