工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

木枯らし一番 

2015/10/25
Sun. 23:26


島根にいると、普通にカジュアルな靴をはくということもない。
坊主家業の時は白の鼻緒の雪駄だし、彫刻家の時は鉄板入りの安全長靴だし、日常の暮らしは履き古しのクロックスで済ませる。
彫刻の仕事で長距離の移動をするときも、結界くんに雪駄かクロックスか長靴を乗せておけばそれで用が足りる。
今履いている靴は、4~5年前の私の誕生日の時に娘達が買ってくれたものだ。
こうして、1年に1回ほど展覧会の用事で東京へ出かける時にそれを履くことにしている・・というより、礼服用の黒の革靴以外、まともな靴はそれ一つしか持っていない。
このままいけば、今の暮らしが大きく変化することでもない限り、一生そのプレゼントされた靴一つを履きつぶして終わるだろうと思っている。
最後に死ぬ時は、棺桶にその靴も忍ばせておいてくれたら都合よく遺品整理にもなるくらいに思っている。

そういうわけだから、こうして靴を履いて東京に来て一日中アチコチ動きまわると、半端無く疲労する。
その靴と同じように1年に一度欠かさないようにしているのは、ワイフの実家へお伺いすること。一人暮らしのワイフのお母さんを尋ねることも私の東京での大事な用事の一つになっている。
秋のこの時期のワイフは、島根の石見銀山を中心にアチコチで行われる地域の文化祭に出かける事が多い。東京生まれの彼女が、ここまで上手にさり気なく地域に溶け込んでくれるとは思ってもいなかったことだ。日頃から世間付き合いの悪い私の我儘を上手にカバーしてくれているということで実にありがたい。

それで、昨夜からワイフの実家でお世話になっている。
夜がほとんど眠れなかった。
一晩中サイレンがアチコチで鳴っていた。それに、時折激しい風が吹き付ける。朝になってニュースをチェックしていたら、今年の木枯らし1号だったそうだ。
私など、まだ半袖シャツ一枚でウロウロしているのに、もう東京は木枯らしの季節になっているようだ。
どうりで、電車の乗客がアチコチでコツコツ咳をしている。昨日も普通電車に乗ってノンビリ座席に座っていたら、2つ目の駅で混み始めて私の両側に座ったお姉さんとおじさんが右と左でコツコツ咳をし始めて往生した。その上、何処からともなくやたらと臭い口臭が漂ってくるし、もう、それだけで自分が病気になってしまいそうになる。どうしても耐えられなくて、結局乗り換えの駅まであと少しというところで、その電車を降りた。
島根の暮らしではこういう状況に遭遇することはまず無い。
今から40年前は、自分も東京ぐらしをしていたということがウソのようだ。
見た目にはそれなりに小奇麗に見える大都会の街も、そこで暮らすとなると、見なくてもいいものを見ながら、聞かなくていいものも聞きながら、自分の都合を我慢して窮屈に暮らすしか無い事のようだ。
なんとなく、ホームシックになってしまっているのかなぁ~・・

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