工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

雨の万善寺 

2015/11/09
Mon. 23:17

一日中生暖かい雨が降っていた。
午前中は石見銀山の吉田家で今度のお葬式の準備をした。
準備といっても何のことか一般にはなかなかわからないことだろう。
シャワーを浴びつつ頭にバリカンをあてるとか、ワイフが買ってくれたゾーリンゲンの安全カミソリで髭を剃るとか・・
お葬式の次第をつくるとか、引導をかんがえるとか、衣や白衣などを揃えるとか・・
まぁ、ようするに坊主にとって欠かせない諸々のこと。
そうこうしているうちにワイフが昼食を作ってくれて、それを食べてコーヒーをガブリと飲んで、荷物を結界君へ積み込んだのが午後の3時近かった。寺までの道中は湿度が多くて、中国山地一帯がガスで充満している。結界君の視界がすぐに悪くなって走りにくいからエアコンを付けた。とにかく、先週末から変な気候が続いている。

おかみさんがひたすら頑固に暮す万善寺に到着すると、真土を敷いた狭い庭にやたらと大小太細の車の轍が残っている。
彫刻のイベントでしばらく留守にしていた間に、万善寺が荒れていた。さすがに90歳を過ぎた年寄りに寺の留守居を任せることは無理なのかも知れない。
とにかく、外回りの営繕は雨がやまないとどうしようもないから、ひとまず見て見ぬふりで乗り切ることにした。

万善寺のある保賀集落の秋祭りが近い。
年々高齢化が進んで、氏子の1人一役にそろそろ限界が出てきた。
そろそろ坊主の私にも一役の出番が回ってくるかも知れない。
坊主が坊主頭にはちまき締めて神輿担ぐのも絵にならないが、結構難易度の高い俗な間違い探しくらいの見せ物くらいにはなるかも知れない。
夕食のご飯も食べないでセッセとしゃべり続けるおかみさんの近況話を聞きながらボンヤリとそんなことを思っていた。

寺務の部屋へ落ち着いて墨を擦りながらiPadに溜まったネコチャンズを楽しんでいたら、参道から寺の前の林道に合流するあたりにある隣家の猫を思い出した。
もうかなり長い間その家で飼っていた可愛い三毛猫が今年の夏の初めに死んでしまった。
その猫と前後してビーグルも死んだ。
回覧板を持っていったりすると、犬と猫が仲良く寄り添って昼寝をしているところをよく見かけた。
あの時は、あまりにも短時間のうちに猫と犬があっけなく死んでしまったから、「ヒョッとして毒でももられたか!」と良からぬ妄想が膨らんでしまった。
万善寺は、先代の頃から別に特別な理由もないまま「寺で犬猫を飼うことは絶対にダメ!!」という無言の決まりごとがあったし、今もおかみさんの前で吉田家のネコチャンズのことを話したりするとこれでもかというほど汚い言葉で罵りが始まる。
三日も飼えば情も移るし、それなりの話し相手にもなって一人暮らしの気も少しは紛れるだろうに・・無愛想なクロが無性に可愛く見えてきた。

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