工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

一輪の花 

2015/11/14
Sat. 23:29

それにしても、今年はいったいどうしたというのだ!
11月だというのにやたらと暖かい。
庭掃きなどしていたら汗がにじみ出る。

習慣というか思い込みというか、この時期に雨が降って風も強かったりするとそれだけで「寒いもんだ」という気になってしまうようだ。
朝から葬式・・というより告別式のような葬儀が終わって納骨をして、最近よくある「せっかくみんなが集まってるのでついでに初七日もお願いします・・」ということになって、万善寺の自治会にある集会所とお墓と施主家をいったりきたりしている間に、しこたま汗をかいたのだが、参列の皆さんはストーブのまわりに集まったりダウンジャケットで着膨れたり、ご婦人方は手袋まで装着して完全防備。
そんな状況で私だけが額に汗してお経など読んでいたりして、自分でも「どこか具合が悪いのかなぁ」と錯覚してしまいそうだった。
彫刻の仕事以外では年中裸足で過ごしている私にとっては、少なくても足首から先の部分は気温の変化に鈍いというか不感症というかそういう状態が普通になっている。
どちらかというと、冷え性の真逆で年中足が火照って寝苦しくてしょうがない。
やっぱりそういうのも何かの病気なのだろうかと、少しは心配してしまう・・・と、そんなことはどうでも良いことで、今日も例の如く素足に雪駄で庭履きのひと仕事をした。
万善寺にいると、そのくらいしか仕事を見つけることができないのだ。

前夜の風雨でドッサリと散り落ちた紅葉を集めてひと汗かいたところで、本堂裏の崩れかけた石垣に狂い咲きしている一輪のツツジを見つけた。
このところの陽気に騙されて思わずつぼみになって花が咲いたわけだ。
そういうシーンは、なんとなくとぼけたアホらしさを感じないでもないが、私はやはりどちらかというと物悲しさが優先する。
ふと、やたらとカラ元気に頑固な寺のおかみさんを想像してしまった。
もう90歳も過ぎてあとは毎日つつましく暮して朝目覚めると「また1日生かさせてもらった」と感謝からはじまる・・・そういう物静かな老後を送ろうなどと思い巡らすこともなく、ひたすら意地を張って生きているようなおかみさんの場違いなツッパリ具合がその一輪の花にダブって見えた。
坊主家業をしていると、歳をとって頑固になる・・という話は行く先々で良く聞くことだから、寺のおかみさんだけが特別ということもないのはわかっている。
それでも身内のこととなると、どうもその根拠の無いわがまま一方の取りつく島もない頑固さ加減には閉口してしまう。

参道脇の電柱に、いつものカラスが飛んできた。
やかましく鳴き始めたら保賀川の向こうの山からつがいの片割れが鳴き返してきた。
夕方恒例の情報交換でもしているのだろう。
久しぶりにあった気がして「おぉ〜い!」と声をかけたら振り向いた。
「おぉ〜い!元気だったかい?」・・・絶対聞こえているはずなのに今度は無視された。

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