工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

アデルの一日 

2015/12/05
Sat. 23:36

あれだけ大風が吹いたから万善寺の狭い境内は吹き飛んだ松葉で大変なことになっているだろうなぁ・・と、確信的に思いつつ、いつもの七日務めが終わって寺に帰ったら、やはり予測通り境内全体に松葉の層が絨毯のように敷き詰められていた。
作務用の作業着に着替えるのも面倒だから、そのまま改良衣に雪駄履きで熊手と箒を使い分けて松葉をかき集めた。
おかみさんは、自分が若い頃と同じように今の住職を使おうとして、無駄に小言ばかり口走っている。
90歳を過ぎて、そろそろ分相応に自分をわきまえて慎み深く暮してもらいたいものだと期待しつつも、とてもそのような都合のいい願いが叶うわけもない。
何処かしらそのような不条理を感じながら、おかみさんの一人小言を聞き流そうと自分をだましながら庭履きに励んだ。

夕方から石見銀山で飲み会に誘われていたので、それに間に合うように帰宅した。
今日は一日アデルを流しながら万善寺へ往復していたから、風呂に入ってからも耳鳴りの向こうでかすかにアデルが歌っている。
何度聞いても歌が上手すぎるし、アルトがかった包み込むような声に引かれてしまう。
このくらいのレベルになると、かえってしつこく聴き過ぎて身体中がアデル漬けになってみうごきがつかない。
彼女の何処がいいかというと、それで一晩過ごしてしまいそうだし、それも限りなく個人的で身勝手な趣味の問題だから、そのあたりを考慮して「吉田の趣味はひとまず分かったからね・・・ヨシヨシ・・それでOKよ!♡」くらいの軽いノリで済ませておいて欲しい処もあるともう一人の自分が囁いていたが、激しい耳鳴りには勝てなかったようで、普通にオヤジのノリでほんの3時間ばかり酒宴が盛り上がってしまった。

今夜の飲み会の相手をしてくれたというか、相手してもらったというか、その人は、もう40年ほども前になる頃の同級生の「たくちゃん」だった。
自他共に認める田舎者の吉田オヤジとは比べることもできるわけがないほどの別ラベルの世界で生きている人だから、少しくらいは慎重におとなしくしなければいけないと、酒宴の席に着くまでは自覚していたつもりだったが、結局、いい歳してそこまでして自分を誤魔化してもナンの得にもならないだろうと見限って、途中からいつもの「ワガママチョットガンコオヤジ」で乗り切ってしまおうと気持ちを切り替えた・・・というより、心を入れ替えた。
いまさらここにきてたいしてどおでも良いような自分を着飾って有りもしない見栄を張ってもしょうがないことだ。

明日は朝から一日だけのワンコインワークショップでお出かけ。
上機嫌で帰宅したら、いつもは早寝のワイフがセッセと試作品を造っていた。
彼女の様子をみると明日の不安が飛んでいった。
ハッキリ言って、吉田家のこのゆるやかなワガママモノの生活共同体であるということの居心地の良さは何にも替え難いね。

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