工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

本音と建前 

2015/12/21
Mon. 23:13

早いもので、憲正さんが遷化してもう半年が過ぎる。
1周忌をめどに墓石の建立を考えて、しばらく前に近所の石材屋さんへ相談しておいた。
その見積が今朝になって届いて、確認の電話が来た。
なんとなく予測はしていたが、かなりの出費になる。
夏から秋にかけて檀家の役員の皆さんとそのことで少し話をしてみたが、今時のことで積極的な前向きの話にはならなかった。
こういうことになると、みんながそれぞれの都合で良いように思いを巡らしてなかなか方向が一つに定まらない。
昭和の昔も似たような感じで憲正さんが孤軍奮闘頑張っていた。
万善寺の近年の歴史には憲正さんの労がかなりたくさん注がれている。
さすがに在職60年ともなると、万善寺の後世に残る事業をたくさん残している。
梵鐘の建立。
参道の改修工事が2回。
38年の豪雪後の庫裡の屋根替。
裏山の地すべり災害の復旧と客殿の改修工事。
位牌堂の増築。
本堂の屋根替。
畳の打ち替え。
地蔵堂の改築。
台風災害の復旧。
台所の改修工事。
風呂トイレの修繕。
・・・などなど、大小数えきれないほど寺の営繕に努めて来た。
大きな事業は、檀信徒からの寄進をお願いしていたようだが、ほとんどはコツコツ備蓄した私財を投資している。
宗教法人経営の鏡のような大和尚であったと思う。
なかでも、私にとって一番に救われたのは学資の全額を全て吉田家個人でまかなってくれたことだ。
仏教の中でも、曹洞宗は基本的に師弟関係で寺が引き継がれていくから、他の宗派に多い世襲ではない。
だから親子であっても、必ず子供がその寺を継がなければならないということでもない。
しかし、そういう建前はあっても、結局は子供の就学にあわせて学資の補助を檀信徒からの寄進に頼ったりすることがほとんどで、結局、そういうところへ踏み込んでしまうと、子供は成長してから、補助してもらった学資を自分の身体でお返しするということになる。
こうなると、寺の代替わりや引き継ぎには本音と建前が錯綜して、結局は世襲に準じて跡継ぎを引き受ける道しか手段がないことになる。
近所の寺院では、ほとんどそうやって子が親を引き継いで寺の住職に収まっている。
結局万善寺も表面上は似たような感じで私が代替わりして住職に収まっているが、実は心の奥底の何処かでは何時でも万善寺をオサラバするだけの腹をくくっているところもある。
檀信徒からの紐付でないということの自由な身が救いだね。憲正さんありがとう!

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