工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

年々歳々 

2016/02/28
Sun. 16:01

昨日まで冬の雪やみぞれや冷たい雨が残って寒々とした毎日が続いていた。
週の後半から寺暮らしが続いているところへ、はずせない用事が出来て石見銀山へとんぼ返りした時も、道中の銀山街道は冷たい雨が降り続いていた。
用事を済ませて、思いついて町内の大工の棟梁を作業場へ訪ねたら、達磨ストーブに建材のクズを焚いてくつろいでいた。雨が降って仕事にならないらしい。
足元には、イノシシのリブ肉が散乱している。作業場に住み着いている野良猫が必死でそれに噛付いている。
棟梁も猫もいい感じでマイペースな雨の午後を過ごしている風に見えた。
ヒマな具合は似たようなものだが、残念ながら、今の私には彼等のようにワイルドにヒマを楽しむほどの余裕はない。

保賀の谷に暮す、つがいのカラスが朝からうるさい。
近くの採土場の重機もうるさい。
そうこうしていると、救急車のサイレンが国道を通り過ぎる。
カラスや救急車は仕方ないいにしても、日曜日のはずなのに、重機まで動いているというところがどうも落ち着かない。
田舎の山間部のほぼ限界集落的保賀の谷で、日曜日に慌ただしくドタバタしているのは、せいぜいひと月に1度あるかないかの法事で出かける山寺の和尚さんくらいのものだと思っていたが、そうでもないらしい。
その、貴重な法事へ出かけるまでには少々時間もあるし、もう少し惰眠を貪ろうと思っていたのにその機会を逸したようで、仕方なしにロフト部屋から降りた。
久々に朝霞を通して薄日が差している。
なんとなく空気も生暖かく春めいた感じだ。
救急車は別にして日曜日の世間が朝から騒がしいのは、今朝の気候のせいかもしれない。
本堂の様子をみて出かける準備をしていたら、おかみさんが鉄のスコップを持って雪かきを始めた。いつもより若干暖かいとはいえ、水たまりにはまだ薄氷もはっている境内へヨチヨチと出ている。元気なことだというより、ヒマを持て余しているのだろう。

年々歳々花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)
2月も今日で終りかと思っていたら、今年は4年に1度の「猫の肉球」の日があることを思い出した。
法事へ出かける時間になって雪駄を履くと、おかみさんが崩した雪の山が溶けて境内へ水たまりが広がっている。
ほんの30分前の薄氷はすでに溶けていて、水たまりが微風に絶え間なく揺れている。
そろそろ冬も終りに近づいているような気がする。
毎年同じようにくり返されることなのに、毎年同じように喜憂することがばからしく思えてしまう。
結局は今年もやがて木々が芽吹き、山が萌黄に染まり、春の花が咲きはじめる。
自然のゆるやかに過ぎる毎日の中で、人間の営みは落ち着き無く慌ただしく過ぎる。
草木も人も同じ時を過ごしているはずなのにね。

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