工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

吉田家男事情 

2016/03/02
Wed. 23:00

島根の石見銀山や赤来高原は三寒四温を絵に描いたような毎日が続いている。
石見銀山へ帰ってから、やっと少し落ち着けると思っていたら、何のこともない、結局ボクの憩いの四畳半を吉田家のおんなどもに占領されてしまったまま、どうも落ち着かない毎日になっている。キーポンは自分の荷物や道具を四畳半にまき散らし、仕事から帰ったワイフは「あぁ〜疲れた疲れた!」といいながらキーポンの隣へ潜り込んで夕食までのひと時をマッタリと仲良く過ごしている。それでなくても隙間風の多い吉田家に今以上に冷たい不穏な空気が漂うよりはマシだと思うが、それにしても、どう考えても冷遇されているとしか思えないオヤジのこともあるし、自分としてはもう少し吉田家暮らしを快適に過ごさせてもらいたいものだと思っている。ついポロリとそういうささやかな不満を口走ってワイフに聞かれてしまったりすると、取り返しの付かないほど険悪な状況に陥ることは簡単に想像できるし、それなりに緊張しながら何食わぬ顔でニコニコとつつましく目立たないように気を配りながら吉田家の現状を改善していくしかない。

ワイフやキーポンとつき合うというか暮すというか一緒に過ごすのも久々のことだが、同じようにネコチャンズと逢って、間近で付きあうのも久しぶりになる。
ダラダラと付かず離れずの同居が毎日続いていると、それはそれでお互いに踏み込み難い距離感を自然に自覚しながらストレス無くつき合っているような気もしていたが、しばらくぶりに彼等の吉田家の暮しぶりに接すると、今まで気がつかなかった微妙なしぐさの幾つかが妙に新鮮に見えてきて、余計に愛おしさが増したような気がする。

首がやっと座って、ヨレヨレしながらヨチヨチ歩きをし始めた頃にU字管の底で蠢いているところを拾われてきて吉田家で暮すようになったクロは、赤ん坊のうちからの猫社会の常識を体験することのないまま人の手で育てられてしまった。猫社会の厳しさや人間と同居する時の最低のルールを教え込むにはあまりにも小さくてひ弱だった。
ワイフの献身と私のスパルタで見事に巨大に成長したが、そうなるまでには尿管が詰まって尿毒症で生死の境を彷徨ったりもした。野良猫とのバトルでさんざん痛めつけられてプライドがボロボロに砕けてしばらく立ち直ることが出来ない時もあった。
クロはクロなりにイロイロ鍛えられながら大きくなったと思うが、反面、吉田家の家族の愛情に甘えてワガママに育ってしまったようなところもある。
クロとの再会は淡泊なものだったが、それでもちゃんと私のことを忘れないでいたくれた。オヤジに甘えることもちゃんと覚えているし、大きなため息を漏らしながらでもオヤジの身勝手な溺愛につき合ったりもしてくれる。男同士の意気がった見栄が見え隠れすることもある。一日のほとんどを寝て暮しているが、目が覚めている時は勝手に上手に一人遊びをして吉田家の隅々まで何度もパトロールして戸締まりを確認している。それに、オヤジの動きを何処からか執拗に観察していて、自分の都合の良いように自分の居場所を乗っ取って「ザマァ見ろ!」と平然としている。たぶん彼にとっては、猫感覚を磨くためのトレーニングくらいに思っているのかもしれない。目覚めている時の彼の身勝手な行動の幾つかを見ているとそういう気がしてならない。
結局は、吉田家の男同士のこととして、お互いを探り合いつつもお互いの信頼関係を維持出来れば、それがいいことだと思っている。

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