工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

結局やめられない 

2016/04/03
Sun. 23:50

もう10年ぶりくらいになるような気もするが、たぶんそこまで昔のことではないのだろう。
それでも、かなり久しぶりに銀座のギャラリー青羅で隔年に開催されている彫刻のグループ展へワイフと一緒に参加させてもらった。

全国から30点近くの彫刻が集まって、なかなか見ごたえのある良い展覧会になった。
搬入展示作業の後の慰労会で久しぶりに飲んだジャックダニエルが旨かった。
彫刻家の彫刻の話しも、とてもとても面白かった。
木彫のこと、石彫のこと、テラコッタのこと、具象のこと、抽象のこと、素材のこと、技法のこと・・・とにかく、話しが尽きることなく、アッという間に時間が過ぎた。

島根で「現代彫刻小品展」を始めたことも、こういう彫刻家の彫刻の話しが島根でたっぷりと出来たら良いと思ったからでもある。
ふりかえると、自分の力不足もあって今回の銀座でのような濃密な時間を共有できるまでには至らなかった。
やはり、島根では作家の力量が完全に不足している。
そのことが確認できただけでも、今回新作を造って良かったと思う。

展覧会初日だったから会場でオープニングパーティーがあった。
女流彫刻家のキレイどころがセッセとおつまみをつくってくれて、とても美味しかった。
富山の彫刻家はホタルイカのおつまみを持参してくれた。
埼玉の彫刻家は廃線のトンネルで貯蔵した珍しい日本酒を持ってきてくれた。
みんな、なんて優しい人達なのだろう。
日頃は、島根の片田舎でコツコツ一人で彫刻を造っていることが当たり前のように慣れてしまっていて、それで淋しさなど感じることもないのに、こうして自分の周囲を彫刻家でかこまれた中にいると、かえって何故かなんとなく孤独に淋しくなってきたりする。
こういう感覚もおもしろいものだ。こういうことがあるから彫刻を造ることがやめられない。
「何でこの歳になっても彫刻を造ってるんだろうと思って、やめてもいいかなと思うんだけど、やめてしまったらそれこそ何にもする事がなくなってしまうから、結局やめられないで造ってるんだよね・・・」
すでに90歳の彫刻家がポロリとそんな愚痴をこぼしていらっしゃった。
なんとなくわかる気がする・・・というより、後になってジワリと心にしみる重たい一言だと思った。
さて、私はあと何年彫刻を造っていられるのだろう。
身体が動かなくなって、握力もなくなって、重いものを持つ力もなくなってきたら、また絵でも描きはじめるかもしれない。それも出来なくなったくらいに筆を持って字を書きはじめるかもしれない。指の力がなくなって筆ももてなくなって墨も擦れなくなったら・・・まぁ、その時は死ぬ時だな。
今回のグループ展のおかげで、チョットだけ自分の先が見えてきた気がする。

IMG_2118.jpg

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