工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

雨の銀座 

2016/04/07
Thu. 23:19

受付当番で定刻より少し前に会場へ到着したら、すでにギャラリーのオネエサンンが解錠を終わっていて、ポスター看板の準備をしてくれていた。
「すみませんねぇ〜、良い会期なのに雨ばかり降って・・・」
美しい顔を曇らせてすまなさそうにそうおっしゃるものだから、かえって恐縮してしまった。

昨夜、フトンの重さで寝苦しくなって目覚めた時は、すでに窓の外では激しい雨音が聞こえていた。
朝の予報では一日中雨模様だと云っていたし、昼からは風もひどくなるらしい。
そんなことだから、すでに目覚めた時から心の準備が出来た状態で、暇つぶしのグッズもキッチリと仕込んで準備万端。
どうせお客さんもこないだろうから、島根県の現代彫刻小品展がらみの書類原稿をまとめたり、彫刻などの写真データを編集したり、そんな用事も作ってある。
建前としては、真面目にこなさなければいけない会場受付の仕事があるのに、コソコソと隠れて内職をしているようなものだから、今回の展覧会主催代表にガツンと叱られても「ごめんなさい・・」と謝るしかないことなのだが、それも承知で雨の銀座へやってきたら、逆にこっちが「すみませんねぇ〜・・」などと謝られてしまった。
小心者のチキンオヤジとしては、自分の小賢しい悪巧みがバレてしまったように思えたりして、東京の雨をうらんだりした。

面白いものだ。
天気の善し悪しを相手にしてアレコレ思い巡らしていてもダレの責任であるわけでもないし、どうにかなるものでもないのにね。

だいたい予測の通りで、昼過ぎまではとても静かで集中できる時間が過ぎた。
ふと外の銀座の通りを見ると、ビル清掃のおじさんが雨に打たれながらセッセと会場入り口のドアノブを磨いている。この職務をまっとうする姿に心が揺らいだ。「オレはいったい何やってるんだろう?・・」ラップトップを閉じて、入り口のドアを開けることにした。
それからしばらくして、受付けの交代要員石彫の作家T氏が到着。
またそれから少し後に、今回の展覧会事務局長W氏が到着。
そのすぐ後に、木彫の女流彫刻家H氏が到着。
それに、吉田の友人の彫刻家S氏も訪ねてくれて、打ち止めは滑り込みセーフで学生時代からの飲み友達Hさんがやってきた。
会場入り口のドアを開けただけでここまで人の動線が活発になるものだろうかと疑わしいところもない訳では無いが、実際にこうして午後のひと時が活性すると、やはり素直に嬉しいものだ。
身内の彫刻家がほとんどかもしれないが、中にはそういうアットホームな雰囲気につられて飛び込みのお客さんもチラホラあって、一言二言の会話の中で秋の本展への誘導も上手くいって、住所もゲットできたりする。
やはり、東京だと思った。そしてやはり、天下の銀座だと思った。

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