工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

戒名 

2016/04/10
Sun. 23:02

朝の7時前に高速バスを下車。
約12時間のバスの旅で身体中の関節が悲鳴をあげている。靴を履こうと思ったら、足の甲が浮腫んでパンパンになっていた。
駐車場には、結界君が朝露に濡れながらひっそりと待っていてくれた。
キーを回すと一呼吸置いてエンジンがかかった。さすがに、一週間ほど動かないでいるとバッテリーのパワーが落ちている。
交通安全の桃太郎旗がいたるところではためいている。そのわりにはパトーカーの姿が見えない。島根県警のお巡りさんたちは、みんな揃って日曜日がお休みのようであります。何とも真面目な事であります。

途中、眠気覚ましにコーヒーを仕入れて石見銀山の自宅まですっ飛ばした。
帰宅するとワイフが裏庭で咲き乱れる春の花を摘んでいた。
旅の荷物を取り出して、洗濯物をドッサリと洗濯カゴへ移してワイフの仕事を増やした。
すぐに風呂へ入って旅の疲れを落として一週間ぶりに頭へバリカンをあてた。
湯船に浸かっているとフッと意識がなくなって自然に目が閉じる。そういうことが断続的に通いて、何度めかに目が覚めたらすぐ目の前にクロの顔があってビックリ!
思わず風呂で溺れそうになった。

東京行きの荷物を取り出したコロコロに衣などの寺グッズを詰め替えた。
昼前には寺の三畳で戒名を書かなければいけない。
途中の農協スーパーへ寄って、白木の位牌を2つ買って万善寺へ急いだ。
今年の1月2日に東京で亡くなった記録映画の監督さんの戒名を考えた。
島根出身者は、けっこう色々な業界にまんべんなくそれなりの実力者がちらばっている。
その監督さんもその筋ではなかなかの人だったが、やはりお金にはあまり縁が無かったようで、映画1本を制作するのにとても苦労していらしたらしい。
彫刻の制作費で苦労している私と何処かしら似たようなところもあって、それに私も大の映画好きだったりするから、なんとなく親近感を持ってしまう。
何かと苦労の多い人生だったようで、最後は友人葬の告別式だけですませて荼毘にふされたということだ。
それから3ヶ月以上、納骨もされないままの遺骨がそのままになっていて、田舎の親族としては気になってしょうがないものだから、思いきって万善寺へ相談してみようと云う事になったらしい。
それが、彫刻のグループ展で東京へ出かける前の事だった。
心配しているおばあさんに色々聞いていると、数年前に亡くなった奥さんの遺骨もそのままになっているという事がわかった。
最近・・・というより、都会の方は、田舎の山寺の坊主が思っている以上にずいぶん前から急激なスピードで葬式離れが進んでいるようだ。
都会ではお葬式や墓地などの仏事にからむ諸経費がやたらと高額なのだそうだ。
戒名もないまま放置されている遺骨の存在を思うと心が痛む。
「戒名」は、産まれた子供へ名前を付ける事と同じ意味を持つと聞いて坊主を務めている。
お金で戒名を売り買いする連中がいるという事がそもそもの間違いなのですよ。

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