工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

日曜日の石見銀山 

2016/04/17
Sun. 21:18

4月に入ってはじめて吉田家で日曜日を過ごした。
坊主をしていると、休日に法事や仏事が入る事が多いから、世間で云うところの土日は、万善寺で坊主営業をしている事が多い。
3月末はお彼岸でドタバタしていたし、そのうえ、先週は銀座での彫刻グループ展があったりしたから、自分としては久しぶりに吉田家で過ごす日曜日だから、朝から何もしないで一日くらいゆっくりと過ごしたいなぁと思ったりしたが、ワイフの冷ややかな視線が朝のうちから何度となく突き刺さってくるし、テレビでは地震の報道ばかりで気持ちが荒んでくるし、結局何かしない訳にはいかない状況になって、ツナギの作業着を着る事にした。

駐車場の周囲を富山から頂いた薪で埋め尽くしているから、そろそろ撤収もしておかないと、自治会長さんを経由してどこからか苦情が返ってくるかも知れない。その前に少しでも薪を割って片づけておいた方が良さそうだから、今日は朝から夕方までほぼ1日中石見銀山吉田家の営繕に努めた。
石見銀山は世界遺産になってから一応観光地になっている。
駐車場に道具一式を広げて薪割りをしていると、町内の知人や観光さんなどが頻繁に声をかけてくる。声をかけられる側の私は、なかなか落ち着いて仕事に集中できないまま適当に会話をまわして相手をしながら作業を続ける事になった。
お昼前に、ほぼ1年ぶりの再会になったTさんが声をかけてくれた。これから近所のショップで金接ぎのワークショップがあるのだそうだ。久しぶりに逢ったから、お互いの近況を情報交換した。「年寄りって何であんなにワガママでガンコになるんだろうねぇ??」何て云う話題で盛り上がってしまった。せっかく久々の再会だったのに「そんなネガティブな話題しかないのか?・・」と一瞬気持ちが萎えたが、ようするにTさんも私も親の介護で色々と悩み多き毎日を過ごしているのだという事がわかって、若干の気休めになったような気もする。「結局は、自分の親だから、出来るだけ自分で責任をもたなきゃいけないよね!」というところで同意を得て、なんとなく現状の共有が出来たような気もして、少しほど気楽になれた。
短時間の昼休みをはさんで作業を再開してすぐに、「なにやってるのぉ??」と、可愛い女の子が稼働中の薪割り機を目指して走ってきた。そのまま作業を続けるのも危ない気がして「おじさんちは、冬になって寒くなってもストーブの油が買えないから、この木を燃やして暖まってるんだよ」などと、小さな女の子相手にやたらと卑屈で自虐的な回答をしたりしていたら、お母さんがやってきた。先ほどの会話を聞かれたかも知れないと少し恥ずかしくなって、大人の世間話に切り替えていたらそのうちお父さんが合流した。吉田家前の彫刻が気になったようで、そのことに話題がそれたところで、「ヒョッとして油絵を教えてもらった吉田先生じゃないですか?」などとお父さんの方が突然云いはじめた。たしかに、昔々は近所の高校で美術を教えていた時もあったから、そんなところから探りを入れてみると、「ボクOといいます。覚えてないですよね。あの時描いた油絵まだ家にありますよ!」などと、盛り上がってきた。ハッキリ言って、彼の顔を全く覚えていない。
自分の物覚えの悪さを反省しつつ、現在の名刺を渡してその場をごまかしてしまった。
観光地でもある石見銀山で休日の作業は出来るだけ避けた方が良さそうだという事がよく分かった。これからは、日曜日は工場で彫刻を造る事に決めた。

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