工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

萩〜彫刻巡業の旅その2 

2016/05/05
Thu. 22:52

萩往還まつりのクローズは16:00だった。
町並みの通りは今でもバス通りの街道で、こういうイベントの間も車両通行止めにすることができないらしい。搬出作業もあるので結界君を古民家の軒先へ横付けして搬出準備をしている間中車の往来が耐えない。何度か轢かれそうになりながらほんの10時間ほど前に降ろした彫刻をまたセッセと積み込んだ。だいたい1時間ほどで積み込みも終わって、展示でお世話になった会場の点検をして襖や障子を建て直して結界君へ乗り込んだのは17:30くらいになった。

はじめて萩へ来たのは今から30年以上前の頃だった。
あの頃は道も今のように整備されていないし、バイパスや自動車道もなかったから、萩までは普通に4〜5時間はかかっていた。
その頃にあった美味しいコーヒー屋さんへしばらく行っていないので、まだ日も高いし久しぶりに訪ねてみることにした。
その店の名前は「長屋門珈琲」という。前回訪ねたのはもうずいぶん前のことになるし、その後の萩市は都市開発や主要道路の拡幅も進んで、昔の面影がどんどん消えている。Googlemapのお世話になろうとしたら検索不能だったので、かろうじて記憶に残る町並みの風景をたよりに、古い道へ入り込んでしばらくその店を探した。食べ物や飲み物や、とにかく食に関する記憶に特化するワイフが絶妙の記憶と感と嗅覚を駆使して遂にその店を探し当てた。私がかろうじて記憶していた風景は、その長屋門珈琲へ曲がる曲がり角の商店だったのだが、すでにその建物は消えて更地になっていた。
遥か昔からの時の流れを実感しながら駐車場へ結界君を停めると、お店からほのかなコーヒーの薫りが漂ってきた。帰りのお客さんがドアを開けたらそれがいっきに広がってコーヒー好きの私は思わずよろめいた。
メキシコの古代遺跡にちなんだ中煎り焙煎のティカルが当時と変らないままメニューにあった。朝5時からスタートした一日の彫刻巡業の旅も、このティカルブレンドの一杯で疲れを忘れることができた。
帰りに、豆を100gほど買った。

途中、道の駅へ寄った。ワイフと一緒に遠くへ出かける時には、出先の各地で道の駅を素通りすることは許されない。彼女の指令に従い、粛々と対応しつつそれでもそれなりに石見銀山への帰路を急いだ。
だいたい3時間ほどかかると計算して、帰宅は9時前後になるだろうと判断した。
キーポンはバイトが終わって帰宅しているだろうから、この度の慰労も兼ねて夕食は外食することにした。飲みかけのボトルがキープしてある八剣伝へ3人で出かけて焼き鳥をパクついた。私はボトルを空にした。ワイフはお店オリジナル特製ラーメンを食べた。キーポンは梅ジンジャーなる飲み物をチビチビ飲みながらサラダやポテトフライなどアレコレ注文していた。

気持ちよく爆睡した次の朝は、身体中の節々が悲鳴をあげていた。やっとの思いで起き上がって結界君から彫刻を降ろした。今年も連休の彫刻巡業の旅がひとまず終わった。

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