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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

猫背 

2016/05/29
Sun. 21:39

石見銀山は、雲が下がって寒いわけでもないが暑いわけでもないし梅雨を思わせるような湿気の多い朝だった。
ガンコに寺暮らしを続けているおかみさんがこの2・3日チョクチョク電話をしてきてもう淋しさも限界になっていることが予想できる。高齢者特有の症状が数年前から現れているから、こちらとしてはそういうもんだと思って付き合おうと思うが、本人がそれを自覚出来ないまま益々意固地になっているから始末が悪い。雨が降る前に吉田家の営繕を少しでも進めようとバタバタしていると、今日も朝からひとの都合を無視してやたらとおかみさんから電話がかかってくる。
そういう歳相応の苦労を感じながら駐車場へあふれている杉の丸太を割って防災捕吏面のブロックへ積み重ねた。ひとますワイフのファンカーゴがまともに駐車できるまでになったので油圧の薪割り機を片づけて雑草の草刈りを始めた頃から雨が本格的になってきた。
「もう、お昼ですよ。雨も降るしそろそろ店仕舞したらどうですかぁ〜」
親切に、下隣のおばちゃんが声をかけてくれた。
「どうせこのツナギ洗濯するし、まぁ濡れても一緒ですからもうチョット刈っときますよ」
そう返事をしておいた。
草刈り機を振り回すたびに駐車場の小石が跳ねてワイフのファンカーゴへカンカン当たる。
けっこう薄い鉄板使ってるなぁと気付いたが、ガラス窓を跳ねた石で割らないように気を付けながら草刈り機を振り回した。

日曜日だというのに町内の付き合いの仕事で朝から出かけていたワイフが午後のティータイム頃になってやっと帰ってきた。気がつくと、私は結局今日も昼飯抜きになっていた。飲むヨーグルトを駆けつけ三杯にコーヒーをすすって昼飯変わりにした。
寺へ行く準備をしていたら飯南高原で暮す同級生の郵便局長から電話が入った。
「急なことなんだけど・・・夕方から同窓会の打ち合わせで飲むんだけドォ〜」だって。
あまりに急だけど、たまたま寺へ行こうとしていたところだし、「少し遅れるけど・・」と出席の意向を伝えた。
寺へ到着したら、おかみさんが例の如く渋い顔をしている。
(可愛い息子が帰ってきたのだからにっこり笑って出迎えてくれよ!)と思うが、おかみさんにはそういう上手がない。いつものことだからそんなもんだと思うしかないが、表情の乏しい鮮度の落ちたイサキのような目で出迎えられて一瞬イラッときた。
まだまだ修行が足らないと自覚しつつ、自分の母親がそういう状態であることに至る経緯を思うと、何処かしら我が身を攻めてしまうようなところもあって、なかなか複雑に感じつつ今夜の予定を伝えて同窓会に出かけた。
また前回のように万善寺の鍵をかけて締め出されているかも知れないがそれも仕方がない。
おかみさんの極度に意識して感情を殺した無表情を見て、ふと、吉田クロを思い出してしまった。それに、小さく縮んだ身体をくの字に曲げてペタリと座る後ろ姿など、クロの猫背のアウトラインにシンクロしてしまう。

そぉかぁ〜〜、おかみさんと接する時は、「ボクは今、吉田クロちゃんと会話しているんだ!」と思えば気楽になれるかも知れない・・・と、これからはそう思うようにしよう!

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