工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

鑑賞教育 

2016/06/05
Sun. 06:39

現在は東京在住で、静岡のアトリエで制作三昧の島根出身佐々木信平氏の絵画展が浜田市の浜田世界こども美術館でスタートした。

10時からオープニングで、引き続いてギャラリートークがあって、その後浜田市教育委員会が主催する写生大会の講師を努めたあと昼食やら懇親会やらが続いて大忙しだ。
島根や鳥取をはじめ近県や遠くは関西の方からも佐々木信平氏のシンパやファンが集合して大にぎわいの最中に美術館会場へ少し遅れて到着した。
幸い、佐々木信平氏と二言三言会話をする事も出来た。
少し前に郵送しておいた資料の事務的な話をすることはできなかった。
佐々木氏も久しぶりの帰省になるし、そこまでガツガツと決まったスケジュールに割り込んで深刻で味気ない話を持ち出すのも大人げないから、さり気ない挨拶程度でその場を流した。

ちょうど一ヶ月に二回の美術講師で高校まで出かける日だったから、せっかくだし、美術を受講している2人の高校生と時間担当の先生の3人を連れて鑑賞教育と称して会場まで出かけることにした。
2人の高校生と引率の先生は、思った以上に熱心に佐々木信平氏の絵画へ見入っていた。
私はもう30年以上も前から彼の絵画の変遷を見続けているから、特に目立った感動もないまま冷静な目で見直すことができて、それはそれで良かった。なかでも、学生から若い頃に描かれた研究と苦悩とテーマへの葛藤を絵画表現の中で改めて確認できたことが良かった。やはり、どんな立派な図録でも、一冊の本にまとめられた小さな写真で見る絵画とは全く感動のレベルが違う。

本物の持つ圧倒的な存在感は、何にも替え難いほどの説得力を持って自分に迫ってくる。
その高揚した気持ちが冷めないうちに、高校生たちを連れて江津在住の根付け彫刻作家宅へ寄り道した。
運良く奥さん共々在宅で、図々しく押しかけた我々をあたたかく迎えてくださって、美味しいお茶やお菓子まで御馳走になりながら、彫刻の苦労話を聞かせてもらうことができた。
近代日本彫刻の祖師ともいえる高村光雲氏の最後の弟子で現代日本彫刻の巨匠澄川喜一氏を神と仰ぐ田中俊晞さんの話はとめどなく延々と続き、高校へ帰校したのはお昼をすっかり過ぎてからだった。
わにはともあれ・・若い高校生達は本物の刺激をたっぷりと受けたようだ。

私など、キチンとした学校の先生でもないし、日本の教育界がドォーのコォーのと偉そうに語れるほどその世界の知識もないまま高校生と付き合って遊んでいるが、こうして「百聞は一見に如かず」を少しばかりは実践提供できた気がして、そこそこ先生らしいことが出来たのかなぁと自分で勝手にそう思ったりして、なんとなく良い気持ちで帰宅した。

1ヶ月に2回しか会わない高校生達と、これから先どこまで親しくつきあえて美術を好きになってもらえるか・・・楽しみなところである・・・

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