工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

呵々笑(かかとわらう) 

2016/06/16
Thu. 21:52

石見銀山にあるハンモックで久しぶりに帰省したキーポンが寝たらしいが、ゆらゆら揺れて少し酔ってしまったらしい。
隠岐の海士町から帰省したじゅん君も寝たらしいが、最近の彼は船に乗り慣れているから酔わなかったらしい。
オヤジが買ったハンモックなのに、本人はまだ一度も寝たことがないまま万善寺暮らしが続いているから何処かしら複雑な心境だ。

憲正さんの一周忌の準備をしている時からやたらと蒸し暑かったから、そろそろ空が絶えきれなくなって雨が降るだろうなぁと思っていたが、やはり、今日は雨になった。
それでも法事の最中は小雨程度で過ぎたが、墓参と納骨をする頃になって傘がないと絶えられないほど本格的な雨になった。
私とじゅん君とで憲正さんの遺骨などを持って雨の中を墓まで歩いた。
たった200〜300mの距離だが、その間久しぶりにじゅん君としゃべった。
彼はワイフに似たのかあまり酒を飲まないし、お茶飲み話程度では会話もはずまない。
家族の中でも男同士と云うのはそういうものなのかも知れないが、それは吉田家だけのことかも知れないのでなんともいえない。
そういえば、私と憲正さんの関係もなんとなく会話の乏しいまま時が過ぎた。
今振りかえっても、かなりの時間二人で過ごしていた筈なのに、記憶に残る会話が思い出せない。だからと云って疎遠であるわけでもなかった。心の何処かで彼とつながっていたところもあったと確信できる。
この一周忌を迎えるにあたって、脳みそのスケジュール表が真っ黒になるほどコマゴマとした準備期間が続いたが、その時々にさり気なく笑顔の憲正さんが頭の片隅に登場してアレコレ助言整理してくれたおかげで、メモひとつとることもなく全てを乗り切ることができた。
急な変更もいくつかあって、それはそれで修正も厄介だったが、ワイフのフットワークの軽さにずいぶんと助けられた。

引物と云うわけでもないが、蓋付きのガラス瓶を用意して、その中に金平糖と△チョコレートを詰めた。
手配は全てワイフの発案。
ワイフは、まだ結婚する前から私を頼って何回か島根に遊びにきていたが、その度にレンタカーを借りたりして憲正さんを連れだしていた。そういう頃からの付き合いの中で、ワイフなりに憲正さんの好き嫌いをチェックしていたのかも知れない。
結局、私一人ではここまで心のこもった引物を用意することはできなかった。
「さて、自分で何ができるか・・・」準備をしながら色々考えた。
ひとまず、ありきたりのカタログ冊子。
島根は不昧公の関係でお茶どころだし憲正さんも大好きだった茶葉セットははずせない。
ヱビスビールと豊の秋はすぐに決まった。
そして、ガラス瓶にリューターで一つ一つ「呵々笑(かかとわらう)」と書いた。
好きな金平糖をカリカリ食べ、お茶をすすり、晩酌を欠かさなかった憲正さんだった。

IMG_1539_201606162148510ee.jpg

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