工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

クロネコとAmazon 

2016/07/07
Thu. 23:15

前回、角塔婆を書いたのは何時だったろう??全く記憶に無いほど忘れてしまっている。
年回法事で50回忌を超えると、万善寺では角塔婆を勧めている。
50回忌を超える法事は毎年数件はあるのだが、施主さんのほとんどは板塔婆ですませてしまう。万善寺にとってはそれもマシな方で、最近はそういう古いご先祖様の年回法事をスルーしてしまう施主さんが激増した。まだまだ古い暮しが根付く田舎の山寺の万善寺でこれだから、日本仏教もここまで落ち込んだというわけで、まんざら不甲斐ない住職のせいだけで済まされることでも無い気がする。

ひと頃、イオンが全国の平均的葬式価格を発表して葬祭事業に参入しはじめて仏教界から大バッシングを受けたことがあった。
その少しあとに、あのAmazonが坊主派遣事業を開始すると発表した。詳しくは知らないがお葬式坊主の出張手配が5万円で内訳は坊主の手取り三万五千円也!と云う事らしい。
人から聞いた話だから嘘か本当かわからないが、まぁ、イオングループとかAmazonくらいだったらそのくらいのことは思いつくだろうなと思うし、提示された相場も庶民レベルで妥当なあたりに落とし込まれている気もする。

坊主と云っても私はまがりなりに檀家も数軒ある山寺の経営を任されている「住職」であるから、世に云う在家坊主の中でも世間のしがらみの重さを担って檀家さんと付き合っているところがある。
自分の寺を持たない・・というより、住職資格のない葬祭業者のお抱え坊主とか、霊園名簿に登録されている葬式派遣坊主とかそういう営業坊主とは若干立ち位置が違ったところでお檀家さんや施主さんや地域と付き合っているつもりだ。
本当は、寺の経営だけで生活ができればもっと坊主らしい坊主になれていると思うが、現実はそこまで甘くもないし、家族も養わなければいけないし、様々な金蔓を手繰って日銭を稼ぎながら暮しているから、結局はそのあたりの営業坊主とそれほど変わらないかも知れないが、やはり、守る寺があるし、ご本尊様がいらっしゃるし、お檀家さんのお位牌もあるし歴代住職のお墓もあるし・・・そういうたくさんのしがらみに包まれながら毎日を暮しているところに大きな差がある。

坊主の立場で思うとこんな感じだが、一般在家の立場だとまた違った現実が眼前に迫っている事も確かな事だ。
ようは個人の宗教観が全てを左右する事だろう。葬式をAmazonの派遣坊主で済ます親族もいれば、菩提寺へお参りしてねんごろに弔う事が残されたものの努めと思う人もいる。
結局は個人の考え次第になるのだろうが、当事者の一人でもあるだろう私としては、なかなか割り切れないところもあって釈然としない。

ふと見るとクロネコがAmazonの箱を潰して寝ている。なかなか考えさせられる光景だ。
まさか、派遣坊主がAmazonの箱に入って宅配される事もあるまいが、チャッチャッと葬儀が終わって、「ハイ、ありがとうございました!それじゃぁ、ココへ認め印をよろしく!・・あっ、印鑑無かったらサインで結構ですよ!」なんて、感じになるのかなぁ・・

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