工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

塑像の具象作家 

2016/08/06
Sat. 18:55

久しぶりに油蝉の鳴き声を聞いた。
昔は、真昼の暑い盛りにこれでもかというくらい鳴き続けてとにかくうるさかった。
近年、そういうことも気にならないほど油蝉の鳴き声を聞かなくなった。かわりに、早朝の夜明けと同時に蜩が裏山で鳴き始める。
墓地までの参道で草刈りをしていたら、山側の斜面に立派な獣道が出来ていた。この春までは無かったものだ。草刈り機のエンジンを止めて、少し本気に集中して周囲の音に耳を傾け、匂いを嗅いだ。獣道のあたりから、とにかく強烈な獣の匂いが漂ってきた。何かはわからない。タヌキは道の分岐点や都合のいい目印の場所などに山盛りになるまでのタメグソをするから、たぶんタヌキではないだろう。
近道の林道を走っていたら雉がノンビリと道を横切っていて、思わず轢きそうになった。

飯南高原は盛夏というより晩夏に近い気候になっている。
昼はそれなりに暑いが、朝夕は一気に気温が下がって、夜は夏布団でも掛けないと肌寒く感じるほどだ。こういうことも珍しい。今朝、棚経へ出かけようと結界君に乗り込んだら、まだお盆前なのに窓ガラスに夜露が降りていた。

遠雷が聞こえてきた。
雷のあたりでは夕立になっているのだろうとボンヤリ思いながらお経を読んでいたら、突然土砂降りになった。とにかくすごい雨だ。親族の皆さんのざわついて落ち着かない様子を背中で感じる。棚経も始まったばかりだし、このまま夕立の振りグセがつくのも厄介だ。
夕方になって万善寺の参道を登り切ったら、境内下の大豆畑一面にものすごい数のトンボが群れ飛んでいた。世間ではもうしばらく猛暑が続くと言っているようだが、島根県の私の周辺は何処へ行っても何処かしら秋の気配を感じる。

徳島の具象彫刻家鎌田さんは、現代彫刻小品展が始まった時から律儀に毎回出品してくれている。物静かで寡黙で実直そうな人柄が幸いしてか、徳島の方の二紀会系彫刻家グループの代表か事務局か会長か、何かそのような肩書で働いていらっしゃるようだ。
私は、例の如く野外彫刻ばかり造っているから、徳島へ自分の彫刻を持って行っても塑像專門の彼とは全く接点がない。それに、東京での展覧会会場で会うことも稀だし、もちろん会話も殆ど無い。数年前に、何か彫刻の搬入だか展示だかが終わったあとの慰労会で隣同士になって、その時に、直接ご本人へ現代彫刻小品展出品のお礼をすることが出来た。
私の周辺のことだけかもしれないが、塑像の具象作家は比較的寡黙な方が多い気がする。何日も何ヶ月も、コツコツと粘土を付け足し削り取ることを続けている様子が見えてくるようだ。
彫刻を志す者にとって、塑像は避けて通ることの出来ない大事な研究対象だと思う。私の場合、結果的には自分の性格や好き嫌いの事もあって鉄の抽象彫刻へ落ち着いて今に至っているし、具象で何か思いつくと石とか木の方へ引きこまれてしまう。それも自分の性分なのだろうから仕方がない。

現代彫刻小品展のいいところは、さまざまな彫刻素材や彫刻表現を日常の暮らしの間近で観ることが出来ることだ。自分にとってはそれが良い勉強になるし刺激になっている。

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