工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

絵画的彫刻 

2016/08/08
Mon. 22:35

たった8軒の棚経で3時間以上もかかってしまった。
まだ副住職で働いていた頃は、1時間もかからなくてチャッチャと済ませていた。それが、最近、年々1軒の滞在時間が増えてきて、お経の時間よりお茶飲み話の方がずっと長くなっている。
まだ、憲正さんが元気だった頃は、なんであんなに一軒で時間がかかるんだろうと不思議に思っていたが、今になって自分も憲正さんとドッコイくらいモタモタと棚経を務めていることに少々驚いている。今日おじゃました家の奥さん(〜というよりおばあさん)が、「おとうさんはあまりお話されない人だったから・・」などと云われたものだから、いささか驚いた。どちらかと言うと、憲正さんより私のほうがお喋りらしい。

午後から奥出雲の予定が入っていたので急いで着替えて寺を出発した。
何時もだったら比較的平坦で楽な道を選んで国道から県道へ抜けて奥出雲へ向かうのだが、時間の余裕もないし、最短の山道ルートを突っ走った。久々に結界君が悲鳴を上げている。燃料もみるみる減っていった。まずは役場の教育委員会のお姉さまとあって、3つばかり問い合わせて別れた。早速駐車場で電話をしてその一つへ問い合わせたら、2年ぶりかで懐かしい声が聞こえてきた。あと2時間位で帰ってくるらしいからそれまでにもう一人メールで問い合わせていたオヤジさんを訪問することにした。色々打ち合わせをしていたら、先ほどの電話の主から「何時でも良いよ!」とOKが出て、しばらく世間話をしていたら、何と、目の前で打ち合わせをしているオヤジさんが彼のお兄さんだとわかった。さすがに田舎の世間は狭い。そこで一気に話が簡単に進んで、ことが急速に進展した。こういう予期せぬネットワークが出来上がるのもなかなか刺激的で面白い。

それから山道のアップダウンを繰り返して松江まで出た。
島根県立美術館で、島根大学教育学部の絵画を専攻した卒業生たちが恒例のグループ展をやっていて、今日がその最終日だった。今までで一番充実した良い展覧会になっていた。
久しぶりにまとまって若い絵画を見た気がする。世間の公募団体で見かけるまったりとした堅苦しくて重たい絵とは全く違って表現の若さが実に新鮮で清々しい。こういうタイプの絵なら、自宅の壁の一面を占領していても気にならないだろうなと思った。何処かしら受賞を狙う血走った絵になっていない所が良い。

山口県の岩国市に現代彫刻小品展へ出品してくれる具象の女流彫刻家が暮らしている。まだ小さな子供を育てながら毎年コツコツと地道に制作を続けている。
ワイフもそういう過程を経験して今に至っているから、私としてはどうしても彼女のことが気になるし、見捨てることが出来ないままでいる。
私の勝手な思い込みだけかもしれないが、具象の人は絵画的発想に近い所で彫刻を制作しているような気がしてならない。造形の緊張感も大事な要素だが、彼女の具象を見ていると、それよりむしろ、表現上のテーマというかスタイルというかストーリーというか、そういう情感のあたりを強く意識して、そういう曖昧で感覚的な要素を具象の造形に置き換えようとしている。広くはそれもアリとなるのだろうが、私としてはもっと厳しい客観性をカタチに変えていくことのほうが具象彫刻の使命だと思うのだが、さてどうなのだろう。

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