工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

飯南高原のお盆 

2016/08/13
Sat. 21:09

世間は本格的なお盆に入って、棚経の行く先々で県外ナンバーの車がひしめいている。
棚経はほとんどの家で縁側から直接上がってお仏壇の前に座る。
だいたいその縁側は、帰省の皆さんの布団が山積みされていたり、たくさんの荷物でうめつくされている。
私が棚経を始めたのは小学校の頃からだったが、あの頃はこういう光景は皆無だった。
縁側には雨戸が開けてあって、坊主のための一畳ほどの御座が敷かれてあった。
時代が変わって経済も発展して暮らしも楽に豊かになってきたのだろうが、そのことで大事な何かが消えてなくなってしまったこともある気がする。
お仏壇の前に座ると、そのお宅のご先祖さまがどの程度大事にされているかがだいたい分かる。と同時に、御本尊様の安座されている意味がどれほど理解されているかが解る。
さすがに、お年寄りが健在のお宅はおおむねキチンとしている。共稼ぎで昼間が留守のお宅や、婚期を逃したオヤジの独居だと悲惨なものだ。それに、年に1回、お盆の2・3日だけ家を開けて風を通す程度の、ほぼ空き家状態のお宅のお仏壇は目も当てられない。わりと小奇麗にお仏壇が整頓されて、昔の写真が並べられて故人の好物がお供えしてあったりしてどことなく生活感が漂っていたりするのは後家さんの一人暮らしだったりする。
坊主というのは見なくて良いようなその家の暮らしぶりをどこかしら覗き見しているようなところもある。中には、そういう他人の内情を喜々としておしゃべりするような坊主もいたりして、聞くに堪えないこともある。どちらかというと、私はそういうことが嫌いな方だからかなりなストレスになってしまう。万善寺の庫裡をネグラにしているマイママもそういう野次馬的会話が大好きで、私が棚経から帰ると、やたらに根掘り葉掘りしつこく聞いてくる。そういうことがほぼ1ヶ月近く毎日のように続くから耐えられない。

憲正さんがいなくなってから2年目の夏を迎えている。今年は、1周忌の法事の前に墓石を建立した。万善寺の墓地は、雑木林が茂る里山の一角にあって、これだけ暑い夏でもひんやりとして気持ちがいい。
棚経が終わって、少し休憩して、墓掃除に出かけた。
まだ日が高いうちは、山の獣も昼寝をしている頃だからクマやイノシシに襲われることも無いだろうが、この近年はやたらとアチコチでクマの出没情報が飛び交っているし、寺の裏山は昔から彼らの通り道になっているところもあるから、安心はできない。
だから今年は、全く美人じゃないけど歌が上手くてそれなりにキュートなKellie Pickierおねえさまのカントリー・ロックをBluetoothSpeakerへ飛ばしてガンガン鳴らした。万善寺歴代住職の大和尚さんや、たくさんの役僧亡僧さんもさぞかしうるさかっただろう。
墓掃除をしていつも思うことだが、寺の墓地は雑草がはびこることも殆どないし、とても綺麗だ。きっと仏様の功徳が墓地全体に行き渡っているのだろう。

憲正さんの墓石が安座された時に、本堂横にある斑入り青葉の枝木を摘みとって基礎石の脇へ挿し木にしておいた。毎日墓参りも出来ないから、運が良ければ根付いてくれるかもしれないとその程度のことだったが、今年の暑さで花入れの青葉はほぼ全滅していたが憲正さんの青葉だけはかろうじて枯れないでいた。
根付いたかどうかは分からないが、憲正さんのパワーを感じた。

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