工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

工場は暑い! 

2016/08/25
Thu. 23:03

どういう経緯かよくわからないまま椅子を作ることになって、久しぶりに朝から工場で過ごした。
今まで世間が暑い暑いというわりにはそれほどつらくもなかったが、さすがにつなぎの作業着で工場にいると異常なほどの熱気に包み込まれて思考能力がみるみる減退する。

頭のなかには、おおよその完成図が見えているから、鉄の端材をかき集めて貼りあわせながらその場の雰囲気で仕事を進めればいい。
今回の椅子のコンセプトはそのあたりのところを如何にわざとらしくとらえていくか・・・というところだ。要するに、いい加減に力を抜いてラフな感じを残しつつ、椅子の機能をさり気なく演出し、且つ空間の広がりに彫刻的造形の要素を提案する感じ。

そもそもクラフトや家具の領域は、どこかしら機能を重視した使い心地の良さを工業的にデザインしてコストをセーブしたものから、造形性の強いクラフト作家の一品モノまで、幅広く市場に出回っている。
そんな現状にあって、鉄の彫刻家の造る椅子は、さてどのようなものになるのか・・・
①極端な機能美を追求することはヤメる
これは、すでにその道のプロたちが数百年もの長い年月散々知恵をひねり出して今に至っているわけで、それに首を突っ込むとそれこそ自分の首を絞めることになるから、最初からそういうのは無視。
②とっておきの材料は使わない
私は鉄の彫刻家であると自覚しているので、彫刻を造るために必要な材料を椅子のために使うなど勿体無くてしょうがない。だから、四角い鉄板を曲線で切って残った端材をかき集めて繋いで造る。まぁ、この方がずっと無駄に制作時間がかかるんだけどね。
③自分のテーマを外さない
制作するものが椅子であっても、今まで脇目もふらず求め続けている制作や形態や造形のテーマを無視することは出来ない。一脚の椅子が一連の彫刻の中にあっても、全体を包括するテーマ性の中で破綻なく存在するということが重要だ。
④仕事を楽しむ
このところ、現代彫刻小品展にかかりっきりになっているから、自分の彫刻制作の時間がほとんど無くなってしまっている。この際、せめて2日位は後先考えないでひたすら鉄を楽しみたいと思う・・・が、すでに寺の事があったりして挫折しそうだ。
⑤その他あれやこれや・・・と、工場でセッセと溶接しながら考えたり造ったりしていたら、寺から電話が入った。
おかみさんの仕業だ。別に大変な用事があるわけでもないが、何か思い立つと直ぐに行動へ移してしまうことばかりでこらえ性が欠落してしまっている。他人の都合などどうでもいいのだ。
それで、集中力が切れたので、本日の制作は椅子の足4本を溶接して終わった。1本1時間で都合4時間ほど働いた。石見銀山でシャワーを浴びて、結界君を走らせていたら現代彫刻小品展のB1ポスターが刷り上がっているかもしれないと思い出した。
最近の吉田は現代彫刻小品展にどっぷりと漬かって溺れそうになっている。

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