工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

13時間の力作! 

2016/09/18
Sun. 22:28

午前中は年回の法事があったので、万善寺で過ごした。
90歳を越えたおかみさん(といっても、今は寺の内向きのことも任されないほどの普通に高齢者だけど・・)は、自分ひとりで頑張って寺を守っていると決めて暮らしている。
夏のお盆の時期にベッタリと万善寺に張り付いて暮らしていたら、おかみさんはそれが普通のことと都合よく思うようになって、私が彫刻家の顔に戻って石見銀山で暮らすようになったら一気に精神の変調を訴えるようになった。
おかみさんは自分の母親でもあるから、無下にあしらうこともはばかられてなんとかしなければいけないと思うのだが、やはり現実に目先へぶら下がっている何かを優先することになって、母親への対応は後回しになってしまう。
母親は、一見頭がシャンとしてシッカリしているように見えるが、実はもうかれこれ10年以上前から続いている脳障害がこのひと夏のうちに一気に進行した。
神経内科のドクターに症状の検査をお願いしたのだが、当の本人が「私の頭はシッカリしている!」と言い張って私の言うことを全く聞いてくれない。それどころか「若いもの(私のこと)が私をキチガイにしようとしている」などと周辺に言い始めて、息子の言うことなどまったく聞きもしない。
まぁ、私も年相応に親の介護や子供の学費などでフットワークの鈍った毎日を過ごしているわけであります。

制作中の彫刻がやっと完成した。
一昔前は、原寸の型紙を作ったり、工法の手順を書き出したり、アレコレ考えてスケッチやドローイングでタップリ時間を使っていた。それが、最近では鉄板にチョークで溶断の線を決めて描くだけ。
作家歴の若いうちは律儀に寸法の倍率を統一したりして、それで仕事をしたつもりになっていた。
今は、正に行き当たりばったり。
目の前に裁断を終わって産業廃棄物になるかどうかの鉄板が数枚溜まってくると、それをそれぞれ都合よく溶接してカタチにしていく。
溶接の順番を間違えると、制作の工程が一気に2倍3倍遅延してしまう。そのあたりのことは、彫刻家の客観性を駆使してタップリ時間をかけて納得できるまでに身体に叩き込む。
歳とともにこういう客観的で具体的な制作の取捨をすることが難しくなってきた。
ようは、集中力と持続力の問題だ。
ひと頃は、2時間3時間どころかほぼ一日中飯も食わないで溶断と溶接と切削研磨を繰り返してもそれなりに集中が続いていた。それだけでも十分に製作時間の短縮となる。
今回の制作は、溶接機械の不具合と台風の影響でなかなか厳しい制作になった。
夕方、まだ世間が明るいうちに完成させた彫刻は、総時間13時間の力作になった!・・って、自分で勝手にそう言ってるだけだけどね。
台風の影響なのだろう、時おり強い雨が降ったり強風がふいたりしてきた。
今度の設置場所は絶景だが台風がやってきたりすると、シッカリ倒れどめの養生をしておいたほうが良さそうだ。
翌朝は午前4時に石見銀山を出発する予定だが台風の影響も心配になる。

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