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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

鉄板の悩み 

2016/09/24
Sat. 07:09

ひと頃は、だいたい最低でも2〜3年は普通に寝かせておいた鉄板を使って彫刻を造っていたが、それが数年前から1年くらいしか寝かすことが出来なくなって、それを騙し騙し小出しにして使っていた。
最近はそれもなくなってストックの錆びた鉄板で大きな彫刻を造ることが出来なくなった。
それは何故かと言うと・・・鉄板を買い溜めるお金が無くなってしまったからなのです。
まぁ、当然といえば当たり前のことで、収入に繋がるような仕事らしい仕事をしないまま展覧会のことでドタバタしたり、万善寺のことで延々と草刈りしたりなど、そんなことばかりを一年中繰り返しつつ、合間を見て彫刻を造っている始末だからしょうがない。
夢とか理想とかを思えば不甲斐ないことだが、それでも細々と制作を続けているし、秋になれば最低でも1点くらいは大きな彫刻を造ったりして自分の体力の限界へ挑戦している。

今年も「なんとかしなければ!」と思っているうちに春が過ぎ梅雨になり気がつけば暑い夏が来て今はシュラフが必要なほど朝夕が寒くなった。
こういう不本意な状態を何とか解消しようと、意を決して4✕8の鉄板などをいっぱい買った。
そのうちいくつかは今年も開催する展覧会事業に使うためのものだが、ほとんどは彫刻の材料になる予定だ。
このくらい鉄板を一気に集めておけば、また数年の間にきれいに錆びた鉄板を使える時が来るはずだと予測していたが、結局今になってみれば徳島に造った彫刻ですでに鉄板3枚を使い切ってしまって、六本木用の鉄板へ手を出さないように自粛するのがやっとだった。
頭に描いたラフスケッチを、工場の壁に立てかけてある鉄板へチョークで移しながら溶断していると、たった1日でストックされるはずの鉄板が見事に切り刻まれてしまった。
気がつけば、どの端材も帯に短し襷に長しでまるまるそのままでは使えないものばかりが残っていた。自宅の書斎でデスクトップに拡大した鉄板の写真を見ながら悩み考えていると、「お父さんナニそんなに難しい顔してるの?」
集中会議から帰宅したなっちゃんがオヤジの悩みを無視して脳みそのカオスワールドをこれでもかとかき混ぜて去っていった。一度集中の糸が切れるとなかなか立ち直れなくなってしまって、思わずそのまま麦とホップに流れてしまった。
それがつい先日の連休が終わった頃。
それから昨夜まで工場へ通って溶断した鉄板を組み立てている。
今までに無いほどツギハギでケチリまくった彫刻になりそうだ。
それに、当初の予定より随分と小ぶりになった。
鉄板のストックが無いのだから仕方ないけど、この歳まで彫刻を造り続けてこの始末だから、やはりこの世界には何処かで魔物が待機しているようなところもある。

彫刻は大きいだけが良いわけでもないけど、やはり自分の中では身体に染み付いた「お決まりのスケール感」のようなものがあって、それが狂ってくるとどうも気持ちのゆらぎが彫刻のカタチに見苦しく伝わってしまう。
こういう時はしばらく工場から離れてみることも大事だと自分をなぐさめつつ、本日は万善寺のお地蔵さんの法要で汗を流させていただきます・・・

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