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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

知られざる彫刻の世界 

2010/09/29
Wed. 08:57

ほとんどの皆さんには縁のない話しだと思いますが、この際ですから考学のために彫刻の発表実態をお知らせしておきましょう。

一口に彫刻家といっても、有名無名を問わずその制作や発表活動は様々です。
日展に代表されるような公募で作家を募るタイプの展覧会や、都市計画の一環として彫刻出品を募り受賞作品を買い上げる大賞展タイプのものや、美術館などが独自に企画した作家の個展や動向展や、作家個人がコツコツと自分のテーマを追い続けながら発表を続ける画廊・ギャラリーでの個展や、百貨店の画廊企画で販売を主たる目的とした個展・グループ展など、その目的に応じて彫刻家達は制作と発表をくり返しながら生活をしているわけです。

いずれにしても、俗に世間から「プロ」と認識してもらえるまでの地道な彫刻家暮らしは、単に制作場所や資金の確保などの問題だけでなく、周辺の励ましや援助協力がなければ継続できるものではありません。
だから、一部の有名現代彫刻家を除くと、ほとんどの作家達は何かの職業を兼務しながら制作を続けているといってもよいでしょう。
かく言う私も、万善寺の作務とギャラリーの経営と時々入る頼まれ仕事と制作を調整しながら細々と暮らしているわけです。

この度の彫刻制作と発表は、公募展発表になります。
公募展ですから審査があって入選や落選やもちろん入賞があります。
作家は、まず入賞を狙って制作しますが、その時々の制作環境の変動で、不出品になったり移動中に作品の破損がでたりして、毎年のように予測不能の事態が発生します。

今年は、出品作家の諸事情でチャータートラックをエアサスペンション11トンから板バネ4トンに切り替えました。強度的な問題で破損の生じる確率がかなり高い状態での搬入になりました。
それでも山陰両県を中心に大小合わせて9名の作家の10点の作品が集結し、共同搬入できるまでになりました。

制作を継続することがどれだけ難しくて厳しいものかということがこの搬入作業を通して実感できます。
心がキリキリねじれるような緊張感を毎年のように強いられて、このような苦しさから開放されたいと思うこともしばしばです。
一方では、20代から続いている展覧会の発表活動が自分の体力や精神力の指標になっていることも事実です。
展覧会期間はもうしばらく先ですが、ひとまず搬入の小さなひと山を乗り越えました。このあと幾つかの山を乗り越えることになりますから、もうしばらく緊張感が続くことになります。

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