工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

萬善寺の夜 

2017/01/12
Thu. 21:35

昼の間、石見銀山を中心にアレコレと用事を済ませて、夕方になってから萬善寺へ着いた。
荷物を下ろしていたら、雨が振り始めて、それからあとはみぞれになったり雪になったりしながら、それでも絶え間なく降り続いて、暗くなってからはほぼ雪に変わって、アッという間に境内が白くなった。
本堂の屋根は勾配が急なので、水っぽい雪が積もる間もなくずり落ちている。

三畳の寺務所兼書斎へ落ち着いて、まずはコーヒーを入れた。
寺暮らしが長くなったので、年が変わるころには豆も残りわずかになっていた。
だましだまし量を稼いでいたが、どうしても薄くなって水っぽくなって俗に言うアメリカンにもならないほどになったから、しばらくはコンビニコーヒで急場をしのいでいた。
それで、今日になってやっと大田市の少し大きな業務用スーパーへ寄り道をして、それなりの豆を仕入れてきた。
飲んでみたらどぉってことない普通の味だったが、それでも薄まったコーヒーよりは随分とマシになった。

さすがに飯南高原は石見銀山に比べて随分冷え込みが厳しい。
私は、厚着とか重ね着が嫌いな方で、冬の寺暮らしでも、せいぜい下着と厚手のシャツとトレーナーの3枚位で過ごしている。それに、よほどのことでもない限り年中裸足でいるから、島根県くらいの冷え込みにはもう身体のほうが慣れてしまった感じだし、暖房といえば小さな灯油ストーブが一つあるだけの質素な暮らしをしていて、薪ストーブなどあるわけもなく、だいたいが寒々とした毎日をすごしている。
それで冬の寺暮らしの楽しみというと、まだ明るいうちから温めの風呂に入って1時間位のんびりすることくらいしかない。

萬善寺の風呂は、憲正さんが元気だった頃、老夫婦が二人で考えて決めて、物置だった場所を改造してシステムバスをはめ込んだ。
全体がステンレス製の直方体の箱に、浴槽やシャワーや蛇口や鏡などの必要なものがすべてワンセットで組み込まれているタイプのものだ。風呂掃除とかお湯の取扱など、毎日の生活には使い勝手も良いし特に不満があるわけでもないが、とにかくなんとも味気ない。ゆっくりと風呂に入って一日の疲れを癒やすなどという雰囲気は皆無だ。
だからというわけでもないが、「よし!今日はたっぷりと時間をかけて湯に浸かるぞ!」と心に決めたときは、防水のBluetoothSpeakerを持ち込んで、約1時間位のアルバム1枚分をきっちり聴くことにしている。
幸か不幸か、ステンレス製の箱がなかなか良い感じで働いてくれて、低音の振動が風呂の壁や浴槽にまで伝わって、結構な迫力に変わってくれる。
iTunesから、ブルーノートのいい感じのを見つけ出して、半身浴をしながらそれを流していたら、いつの間にかウツラウツラと寝てしまったようで、体重を支えていたバランスの力が抜けて溺れそうになった。
とにかく泳げないボクが、寺の風呂で溺れそうになった。

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