工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

モンカーダこじま芸術祭ーその2 

2017/02/27
Mon. 18:30

モンカーダこじま芸術祭がはじまった。
倉敷児島の旧野崎家住宅前、こんじんまりした公園スペースでは野外展示がされている。
展示作家は、岡山県在住の石彫作家小林照尚氏。同じく岡山県在住の草月流師範西本秋翆氏。島根県から内田紀子氏と、私吉田正純。

小林照尚氏の最近の石彫は、岡山産出の万成石をほぼ方形にザックリと加工して、それを幾つかのパーツに割ったあと、内部をくり抜いて磨き上げ、再度組み合わせて方形の原型に戻すという工法を繰り返しながら一見シンプルな彫刻に仕上げている。
形態の内面と外面の対比を構成表現させることで、見るものの感情や周辺の空間や、それらをとりまく視覚的感覚的情感を石の内部に引き込むように工夫されている。
造形としてのカラッポを用意することで空虚感を演出しつつ、一方でその内部空間に周辺を吸い込ませて、石の本来持っている無機的重量感に周囲から有機的質量が注入される。より凝縮された内空間をさまざまに想像させる、とてもミステリアスな彫刻であるように私は思う。

草月流師範の西本秋翆氏の真竹を使った空間構成は、竹の持つしなやかさを熟知してつくりあげる有機的な形態の連続が面白い。
彫刻界でも線材を多用した空間造形をよく見るが、面白いものでそのたぐいの彫刻は何故か女性の作家に多い気がする。
残念ながらまだ付き合いが浅いので、西本氏の竹作品をそれほど多く見ているわけではないが、草月流の造形物の中では比較的面的要素の強い形態が多いように感じる。
これは、ある意味で彫刻的な表現に近いところで造形が意識されているのかもしれない。
いずれにしても、野外での展示構成であることには変わらないから、竹の集積でつくられる人工の構造物がその周辺の空間とどのように関連されているかが造形の見どころであろう。

内田紀子氏の野外に設置された造形作品を久しぶりに見た。
彼女は、まだ10代の頃からよく知っていて、平面から立体まで、そして、具象から抽象まで、さまざまな素材を利用工夫しながら幅広い造形表現を展開している。
野外での表現は、やはり設置空間をどのように自分のつくりだす造形に取り込むか、もしくは、自分の造形をどのように周辺空間と対峙させるか、そのあたりのサジ加減が重要なことでそれが難しいと自分では思っている。
長い間みていると、彼女の場合は造形の取り組みが器用過ぎるきらいがあって、それが少し残念に感じる。
自分の工夫がもう少しじっくりと錬られたあとに何かしらの形へ置き換わるという、ある意味での「造形のタメ」のようなものが加わると良いと思う。

まぁ、自分のことを棚に上げていろいろと自分勝手に言いたいことを言わせてもらったが、このような発表の場が提供されて共有できているから言えることだけどね。

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