工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

小品彫刻完成! 

2017/03/05
Sun. 07:13

先日、法事でお経が終わったあとに、少しほど仏教のお話をさせてもらってからお茶を頂いていたら、おくさんがいやにあらたまって「チョットご質問があるんですが・・」と身を乗り出された。
なにか込み入った話だと長くなりそうだなと思いつつ、にっこり笑って(顔が若干引きつっていたかも知れないが・・)「ハイハイ、なんでしょう?」と話を促すと、
「実は、実家が浄土真宗なんですが、私がまだ小さいときに家族で本山参りをして私の法名を頂いたそうなんです。禅宗の家へ嫁に入った私は、その法名をどうすればいいんでしょう?」
・・・なるほどそういう話かと、少し気楽になった。
この手の話というか、質問を時々受けることがある。

私の場合は、ひと通りお話を聞かせてもらって、大きな問題がなければだいたい次のように答えている。
「ハイ、それでは、法名さんを戒名さんにさせていただいて構いませんよ。あなたがそれで良ければ??」
ひとまずは、そのくらいのことで話題を濁しておくと、それなりに安心されるのだろう、だいたいどなたも表情が少しほど柔らかくなって、ホッとされるようだ。

万善寺は、その起源が尼子系の郷士にあったようだから、浄土真宗の信者でもあった毛利家の侵略にあっても、改宗をしないまま現在に至ったようである。
戦国の世の古い頃のことだから、農閑期になると領地を奪い奪われる小競り合いがはじまって、農繁期が近づくとお互い休戦協定を結んで田畑の仕事に従事するというような、武士と百姓が混ざりあった暮らしをしていたのだろう。
そんな連中の領地争い程度のことで、宗派の違いが絡まった宗教戦争に発展することもなかっただろう。
毛利さんの方が少しほど偉かったのかもしれないが、自分の領土を増やしつつ、一方で侵略した先々のお寺に乗り込んで坊主相手に改宗を迫った様子が伺える。ようするに、何かと口うるさく、話の上手い坊主の口を塞いでおけば、その寺周辺の庶民もおとなしくなるし、土地を治めるには都合がいいと云うわけだ。
広島県から島根県の山間部一帯に浄土真宗の寺が多いのも、だいたい毛利さんの勢力圏に重なっているから、当たらずと云って遠からず・・といった気もする。
厳密に難しく云えば、法名と戒名はその意味が違うから使い回しをはばかられることでもあるが、坊主本人が心得て飲み込んでおけばそれで十分だと私は思っている。

工場で彫刻を造りながら、そんなことを思い出していた・・・というのも、今度、島根県の県境を越えて浄土真宗さんの多い広島県のお檀家さんへ法事で出かけるからだ。
坊主家業をボンヤリ思いながら仕事をしていたら、あと一歩のところで溶接の手順を間違えるところだった。その1つのミスで制作時間が一気に伸びる。実に危ないところだった。
気を取り直して、集中し直して、夜の9時過ぎ、無事に小品彫刻が完成した!

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