工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

石に託す 

2017/05/06
Sat. 22:58

いつもお世話になっている石屋さんと待ち合わせをして、永代供養の自然石を決めた。
万善寺にとってはそれなりの大事業であると思われるが、私は檀家さんに知らせることもなく一人で事を進めている。
あとになって色々言われるとは思うが、特に寄付を募るわけでもなく、ほとんど私財を投じて行うことだから、まぁ、それも「後の祭り」というやつで済ませてしまおうと思っている。
予算としてはだいたい150万円くらいを見積もっているが、さてそれで済むかどうか・・

石の物色は島根県内の比較的大きな造園業の石材置き場で行った。
時間があればアチコチ回ってから決めようと思っていたが、そろそろ憲正さんの3回忌も迫っているし、のんびりもしていられないから、気持ちを切り替えて一箇所へ絞ることにした。
彫刻の仕事もしているし、造形のことに関しては若干のこだわりもあるつもりでいるから、極端に都合よく解釈すれば、そこら辺に転がっている変哲もない石でも、見方を変えて使いようによっては説得力のある石になってくれることだって十分にあり得ることだ。
大小の石の上に立つと、自然と幾つか石の方から起き上がってきてくれるふうに見えてきたものがあって迷ったが、ユニックのアームの限界もあるし、妥協に妥協を重ねて、ほぼ1時間をかけて3つの石に絞った。
あとは石材の価格交渉になるが、そこまで坊主がしゃしゃり出ても石屋さんの仕事になりにくいだろうと思って、彼へ託すことにした。
交渉の過程で、少しは彼の汗代も考えておかないと仕事に張り合いが持てないというものだ。

私が住職交代をしてすぐの頃に、親族の位牌さんを守りきれないから寺で引き取ってくれと、ある施主さんから申し出があった。
その後、その方は年に1回必ず寺参りをされてその御位牌さんを供養される。
あの頃から変わりなく私の方は出歩いてばかりで無住職を決め込んでいるが、母親が健在だった頃はそういう寺参り目的の施主さん相手に私の不在を良いことにして本堂へ案内することもなくお茶飲み話に終始して事後報告の対応で失礼ばかりしていた。それで今になってやっと形ばかりの供養のお経を読むことが出来るようになってきた。
要するに、「寺を守る!」と言い続けて寺にしがみついていた母親の寺務が全く機能しない数年間があったことになる。

寺からほど近い町に暮らす彼の周囲も、年々空き家が増えて、1年の殆どをなんの供養もされないままお仏壇の御本尊様やご先祖の御位牌さんが安座されていらっしゃるらしい。
幸いにして、その町にある数件の万善寺檀家さん宅はそういうこともなく、かろうじて毎年の供養はされてはいるが、それでも最近は年回法事の幾つかをスルーされることが目に見えて増えてきた。
仏教の根本は、ご先祖様の御位牌をお守りして供養するということだけでも無いのだが、最近はそれもまともに出来ないほどに仏教離れが目に見えて進んでいる。

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