工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

30年の蓄積 

2017/05/23
Tue. 23:56

石見銀山の吉田家を出発する頃は、朝から日差しが強くてまた1日暑くなりそうだった。
近年、気候は穏やかでまだ肌寒く感じる春先なのに、日射しだけはやたらと強くて、結界くんの窓から入り込む日射しで太腿や右の腕が焼けるように熱くて我慢できなくなることがある。歳のせいなのかそれとも地球環境の変化なのか、よくわからないまま、タオルをドアの窓へぶら下げたり、いつも積み込んでいる着替え用の服を膝へ掛けたりして窮屈に運転している。

通勤坊主が万善寺へ到着すると、境内のスズメたちが一斉に飛び上がった。
古々米の威力はなかなかのもので、前日のオスソワケがすでに残りあとわずか・・・
食べ残しを見ると、オスソワケにありついているのはスズメたちだけでは無さそうだ。

万善寺の上空に雲が広がっているせいかそれほど暑くない。
時折水田のカエルたちが一斉に鳴き始める。
上空をつがいのカラスが鳴きながら飛んでいる。
田植えが終わって農耕機のノイズが消えてからの保賀の谷は長閑だ。

午前中は寺の庫裏や本堂の周囲を中心に小規模な営繕を進めて、お昼になって暑くなる頃は室内各所の片付けをする予定にしていたが、どうも空の具合が怪しいし、時折鳴き始めるカエルたちのことも気にかかってきて、雨が心配になってきた。
草刈りは少し涼しくなった夕方から始めようと思っていたのだが、前回の大がかりな草刈りもあと少しの所で雨に振られてしまったし、またそうなるのも嫌だし、急遽予定変更で草刈機を振り回すことにした。
コンスタントに、1ヶ月1回、1日約3時間、3日間あれば草刈り作業もそれほど苦にならないし、適度な運動にもなる。

今のところ4月5月と、延々草刈りが続いているが、これは、約30年分の俊江さんへの気遣いの影響が残っているからだ。この、30年の蓄積を少しずつ解消して、もとのシンプルな万善寺に戻すにはまだ2〜3年は必要だろう。焦ってもしょうがないから、少しずつのんびりと寺の作務を続けながら暮らすしか無い。
俊江さんは、とにかくじっとしていられない人だった。晴れれば畑を耕し、雨が降れば縫い物をしたりジグソーパズルに没頭したりして毎日を過ごした。
時折私が寺のことでアレコレ動いたり、それこそ草刈りを始めたりすると、知らないうちに私の後ろへついて回っていて一つ一つ自分の指示を出し始める。
昔からそういう人だったが、30年ほど前から少しずつ身体が動かなくなって、その後口出しの数がどんどん増えた。自分の思うように体が動かないことのイライラが私へ向けられたのかもしれない。

今の私は、30年前の俊江さんとほぼ同じくらいの年齢になった。
ようするに、自分の身体が思うように動いてくれなくなったということ。
1日の身体の疲れがとれないまま、また、次の1日が巡ってきている。

IMG_1812.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/2648-c4477c17
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-09