工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

万善寺墓地 

2017/05/25
Thu. 23:21

午後から隣町のお寺で大般若会があるので、墓掃除を午前中で切り上げた。
万善寺の墓地は、本堂の東側から山道を200mくらい登ったところにある。
昔は保賀の谷の殆どが見渡せていたのだが、谷のほぼ中央へ国道が出来てから見晴らしが悪くなった。
それでも、春の水田風景から秋の刈入れ時期までそれなりに綺麗な山里の景観が広がって見えて、私個人は好きな場所だ。

墓のすぐ下にある家のご主人は先代住職憲正さんと小学校からの同級生で、今も健在ではあるが、もう90歳を過ぎた高齢だし、息子さんは神戸に家があって帰省されないしで、昨年の冬前に介護施設へ入所されて空き家になった。
すでに数年前からほとんど外仕事を放棄されていてその間に周辺の田畑が一気に荒れた。
万善寺はすぐとなりだから、時々、寺の外仕事のついでに境界を超えて除草の草刈りなどをしていたが、俊江さんのチェックが入って、「あすこの方まで刈ることはせんでええけぇ〜」とよく小言を言われた。そこまで厳しく境界を意識しなくてもいいだろうと思うのだが、彼女にとっては昔からの色々な確執が忘れられないでいたのだろう。
とにかく、そんなわけで隣の家の周辺を維持管理することが無くなってから、万善寺墓地の前に広がる雑木や茅が一気に伸びてきて、視界が遮られるようになってきた。
跡取りは遠く神戸の方だし、いちいちお伺いを取り付けるのも厄介だから、そのうち見苦しくない程度に刈り込みをさせてもらおうと思っている。

明日から永代供養墓建立の工事が入る。
かなりの経費がかかるから、また当分の間借金が絶えることがない。
結局は自分の気持ちの問題だし、もっと気楽に乗り切って、其処までして借金を作らなくても良いだろうとも思うが、寺の住職は歴代続く通過点のようなものだから、それなりにその時々で見苦しくない程度の改修を続け、後続の住職に迷惑がかからないようにしなければいけないとは思っている。

大般若会が終わって、しばらくのあいだ坊主の世間話が始まった。
そこでお墓の話もでた。そのお寺のご住職は、一般在家と同じように歴代住職を一基の寄せ墓に集められたそうだ。町中の寺は、境内墓地の規模のこともあって、そのようにせざるを得なかったのかもしれない。またそうしておくとお墓参りも含めた維持管理も簡単になって都合がいい。
住職それぞれに、いろいろ考えがあるからそれも選択肢の一つだろうと思った。
幸いにも、万善寺の墓地はまだまだいくらでも広げられるほどの余裕がある。
墓石一つ一つにその年代の背景もあって、その重みが凸凹に並ぶ石の列に宿っていると感じる。
それになにより、私としては、墓石全体の造形が面白いと感じてしまう。
墓地周辺には、戦国の頃数々の櫓城があったらしい。いまから500年位前のことだ。
生きているものの都合で便利に改変することも大事な文明の進化であるだろうが、一方、出来るだけ何もしないでそっとしておくことも時代の証明として大事なことだと思う。

IMG_1818_20170526052207221.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/2650-298e0187
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-06