工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

仏事の一日 

2017/05/31
Wed. 23:38

組み寺でいつもお世話になっているお寺の内室(奥さん)が亡くなったので、葬儀のお手伝いで随喜をさせていただいた。
配役は、奠茶(てんちゃ)師に相当する待遇の副導師。
仏事にはそれぞれ色々な配役や作法が決まっているが、簡単に言うと、「あなたには、お茶をお供えする役をお願いします!」ということである。
日頃のナンチャッテ坊主にはどう考えても役が重すぎて本来なら固辞すべきところだが、近所のお寺のことでもあってそういうわけにもいかないし、意固地に我を通し過ぎるのも周りに迷惑なことだから、自分の本意を飲み込んで次第の流れに身を任せることにした。

特に改まって信条としているわけでもないが、公私共々、諸々意に反する現実含め、質素倹約の暮らしをしている万善寺で一番困るのが、公的仏事の正装。
歴代住職の衣は、当然大事に引き継いで使用させていただいているが、万善寺の場合、問題になるのは過去の方丈様方の背が低かったこと。前住職の憲正大和尚様は、私より10cmは低かったから、大衣の寸法がすべて短い。襟を合わせる紐の位置など、私の乳のすぐ横の脇腹の方にまで上がってしまって何ともバランスが悪い。
それに、昔のようにお檀家さんからの喜捨で法衣や仏具を新調することも無くなったから、それなりの法衣に自腹を切るとすると1年分の布施が消えてしまう。
そういう万善寺の裏事情もあるから、出来るだけ質素に慎ましく目立たないように立ち回って裏方坊主に徹していようとするのだが、やはりそれにも限界があって、たとえば、今回のこういう配役が回ってきたりすることもあるから、厄介なことだ。
前の日からドタバタと、色衣や刺繍袈裟など引っ張り出してコーディネートしてみたが、なにせ品数が少ないからそれなりに見栄え良く合わせようも無く、適当な所で手を打つことにした。こういう時に貧乏寺の現実がバレるが、まぁ、仕方がない。

副導師の引導香語は「出来るだけ短い方がいい」と師匠の憲正さんに教わっているし、今回はお茶係だから、お茶絡みの漢詩をさがしておくこともしておいたほうが良いだろうと、麦とホップを飲みながら無い知恵を絞りまくっていたら、知らない間にホワイトベルグにまで手が伸びてえらいことになってしまった。
結局、最終稿が出来上がったのが本葬の当日。一応、今の時期のことも詠ったし、それなりに茶にまつわる漢詩も見つけたし、十方三世の仏教用語も若干絡めて、ソコソコ短くてシンプルな香語になった・・・はずだ・・・

内室本葬の日は、午後から臨済宗の寺で大般若会があって、そちらへの随喜へ回った。
白衣の袖に入れている重し代わりのiPhoneがしきりにブルブル震えているし、それに連動しているAppleWatchが手首をトントン叩くし、大般若の経典は扇風機の風でめくれ上がるし、ドタバタの落ち着かない随喜になってしまった。
電話のヌシは万善寺のお檀家さんだった。「墓を移動しようとおもぉ〜て動かしたらのぉ〜・・・」まったく、勝手に何やってるのか・・坊主に相談もなくて・・・
撥遣のお経を読みに墓地へ急いでいると、遠くで雷が鳴り始めた・・案の定、雨になって、途中まで掘り返した墓の土が白衣に跳ね返るし・・もぉ〜最悪!

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