工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

紫陽花の咲くころ 

2017/06/20
Tue. 23:29

「わたし、いつもデジカメ携帯してるから♡!」
少し前に、キーポンから紫陽花の写真が届いたので、上手に撮れてキレイだと返事した。

4月から保育士で働き始めた彼女は、現在ゼロ歳児を担当しているのだそうだ。
仕事で、色々なシーンを記録しておくこともあるから「デジカメ買ったの!」だそうだ。
それから、出かける時はそのデジカメを鞄に忍ばせているらしい。

私がキャノンAE-1プロギラムを買ったのは、新宿ピットインの斜め前にあったカメラ屋さんだった。
当時学生だった私は、特にカメラが好きだというわけでもなく、どちらかといえば必要に迫られて「買わされた」ような状況だったと記憶している。
カメラ本体売りが常識で、それにどのレンズを組み込むかオプションの選択肢で価格が決まるシステムで、その日暮らしの貧乏学生にとっては、かなり高価な買い物だった。
結局、店員さんの推薦というか、助言と言うか、まぁ、云うなりに標準レンズをセットして設定されていた最低標準価格のモノに決めて、それがキャノンだったわけだ。
カメラのことは特に詳しいわけでもないし、ひとまず一眼レフで被写体の構図やピントが狂わなければいいくらいの写真になっていれば良かったから、買ってしばらくは、プログラム設定のおまかせ写真ばかり撮っていた。
その頃中元と歳暮を狙って定期的に開催していた展示即売のクラフトグループ展があった。まだバブルがハジケル前で、学生の分際でも何かそれらしきものを造ればソコソコ売れていた時代だった。庶民でも日常の暮らしが少しばかり贅沢できていたから、クラフトのオリジナルデザインが気に入られていていたし、学生の手造りクラフトは価格も安く設定してあったし、それに、大量生産でない一品物であるという付加価値も加わって、需要と供給の思惑が合致してよく売れた。
キャノンはその展覧会と称した展示即売会の売上で買った。

グループ展の先輩にカメラの詳しい人がいて、立体作品の撮り方を丁寧に教えてくれた。
被写界深度と絞り優先とかシャッタースピード優先とか、ISOのことやフィルムの感度など、グループ展の会期中に集中してやたら親切に指導してくれた。
「一見怖そうだけど優しい先輩だなぁ〜」くらいに思いつつ熱心に教わっていたら、「俺、他の用事があってもう会場へ来ること出来ないのよ。悪いけど、俺の代わりに、展示作品全部、写真撮っておいてくれる?よろしく頼むわぁ〜」ということだった。
私が一番暇してるふうに見えたのだろう、マンマとハメられた感じだったが、ある意味信用されたふうにも感じて、やたら緊張しながら三脚使って撮影を続けた。

今は、キャノンでもお手軽PowerShot Gシリーズ愛用者になったが、あの時の先輩のお陰で写真撮影の基礎がシッカリ身についてとても助かっている。
展覧会の図録用写真から、お正月の年賀状までなんでも一人でまかなっている。
憲正さん遷化の時は、遺影や本葬差定冊子まで手造りした。
あの先輩とはその後疎遠のままだが、とても感謝している。

IMG_0749.jpg

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