工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

寺の朝 

2017/06/24
Sat. 23:12

実は、寺の朝はやたらと周囲がうるさくて、それで目が覚めてしまう。
中国山地の島根県と広島県の県境に近いところにある寺だから、緑が豊富でマイナスイオンがタップリ降り注ぐ静かな山里だろうと思われているかもしれない。そういう想像も、まんざら外れているわけでないが、かえってそういうところだから余計に人間以外の様々な生き物もたくさん生息しているわけで、早朝の夜から昼に変わるあたりの時間帯になると、それらの生き物たちが一斉に活動をはじめて様々な情報交換をする、それが、「やたらとうるさい!」のだ。
万善寺は、保賀の谷にある山の尾根から少し下がったところにあって、比較的見晴らしが良い。
生息する生き物たちもそういう状況を都合よく知っている。
ロフトのいつもの部屋で寝ていると、天窓のすぐ前のトタン屋根へつがいのカラスが飛んできて、ひとしきりアチコチぴょんぴょん飛び跳ねる爪の音がガサガサと、とにかくうるさくてだいたいそれで目が覚める。
こんどは鳶がピューピュー鳴き始める。時々、カラスと鉢合わせすることがあって、しばし空中戦が続いたりすると、バタバタと羽音がかなりの迫力だったりする。
それからあとは、もう寺の周囲のアチコチから数種類の鳥たちが鳴きがじめて、それが2時間近く続いて最後頃に鶯が鳴く。
その頃がだいたい6時半前後で、町内の有線放送が町民歌のピアノ演奏を流す。
強い湿気が谷へ降りているとカエルの合唱がひとしきり続くが、今は空梅雨状態だからカエルの方は比較的おとなしい。
やがて、人間が活動をはじめて草刈機の音や、国道を走る車の走行音が増えてくる。
もう、ソコまでくると朝寝をむさぼる気にもなれなくてゴソゴソとシュラフから這い出ることになる。
・・・だいたい、今の時期の朝はこんな感じだ。これが、盛夏になるとむせ返るような暑さが加わって寝苦しくなるから、それよりはまだマシではある。

週末に棟梁が改修の仕事をスタートさせた。
私の方は相変わらずいつもの終わりのない草刈りが続いていて、畑の端のイノシシが掘り返した大きな穴へ生草を投げ込んでは灰にしている。
「ほんに、いい風が通って涼しいがぁ〜!」
お茶休憩の時に棟梁がそう言った。
確かに、寺の庫裏は裏山からの風が吹き下ろしてなかなか涼しい・・というより、昼寝などしていたら寒いくらいでつま先が冷たくなるほどだ。

生前の老夫婦が、畳の上にナイロンござを敷いて、その上に箪笥などを置いて暮らしていたから、座の下から這い上がる湿気をタップリ吸った畳がブクブクになっていた。
座板も常に湿った状態で家のためには良くないことだから、この際思い切って二部屋をフローリングへ替えることにした。
いらなくなった畳は、俊江さんの畑へ敷き詰めるつもりだ。
それで当分の間、少しほど・・・ほんの少しほど草刈りの面積が少なくなるはずだ。

IMG_1967.jpg

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