工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

くちばし移し 

2017/06/26
Mon. 23:11

丸々と太っている方が実は子供で、ほっそりとしてスリムな方が親だったりする。
さすがに、世間の厳しさをソコソコ知っている親の方は、周囲への気配りもシャープで動きに無駄がない。
・・・これは、万善寺の境内に置いてあるスズメたちの食卓での食事風景。
飛び方を覚えたての世間知らずな子供たちへ、親がセッセと「くちばし移し」でご飯を食べさせてやっている。
彼らへのご飯の提供者は、私であります。

人間が大事にしまいこんで、いつの間にかそれを忘れて古々米にまでなってしまった数年前の米をおすそ分けするようになって、そろそろ2ヶ月が過ぎた。
彼らも、はじめのうちはやたらに警戒しながら古々米を食べていたから完食するまでに一日はかかっていたし、場合によっては二日にまたがることもよくあった。
それが、今年の子育てが始まる頃から一気に図々しくなりはじめて、一日に3度のメシでは足らないくらい食いつきが良くなった。
そして、気がつくといつの間にか子供が生まれていて、ぎこちなくフラフラ飛んできて着地に失敗して頭から地べたへ突っ込んでしまったりするようなヤツまで食卓周辺へ現れるようになってきた。
そういう未熟な子へ親がご飯を食べさせている姿は、なかなか微笑ましくていじらしく思える。
一個の米粒が、ふっくら太っている子スズメには少々大きすぎるようで上手に飲み込むことが出来ないでいたりする。

朝のコーヒータイムのひと時、ほぼ毎日のようにそのような境内の様子を楽しんでいると、保賀の谷のスズメたちも私の姿を見分けるようになって警戒と遠慮の距離が次第に近づいてきた。
買い物があって近所のホームセンターへ出かけたついでに、小鳥用の餌を買ってきて、それを古々米に混ぜてやると、彼らは喜んで大小の粒を食べ分けるようになった。
お互いキスをしている風なスズメの親子の食事風景は人間と変わらない。すぐ近くの電線で寄り添っている様子もどこかしらベンチに座る母子の姿がダブる。

時々、仕事先から万善寺へ直行して彫刻を造りながら寄宿している彫刻家のタマゴちゃんは、学生時代の実習指導が良かったのか、制作の姿勢に無駄がない。
もちろん、未熟な失敗もたくさんするが、かたちを探る視線の方向にブレが少ない。
ある時は正面に立ち、ある時は隣に擦り寄って、ある時は覗き込み、ある時は見上げ、ある時は指の軌跡を追いかけ、私の言動に粘り強くしがみつく。
こういうことを飽きないで・・または、諦めないで繰り返し続けることが出来ていたら、それほど遠くない近い将来には、島根を代表する女流彫刻家のPart2くらいにはなれるかもしれない。
もちろん現在のPart1は、ボクのワイフだけどね。
梅雨の晴れ間の朝のひと時・・・コーヒーをすすりながら、ボンヤリとそう思った。

IMG_1979.jpg

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