工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ジタバタ 

2017/07/12
Wed. 23:26

不甲斐ない住職のボクはとっくの昔に万善寺の御本尊様から見放されてしまったのだろうなぁ〜・・と、最近のヒマな坊主暮らしをしながらそう思っていたら、こんどの3連休前になって次々と法事やお大師様供養が入って、7月の無収入はなんとか回避できそうな感じになった。
延々と続く万善寺赤字財政に変化はないが、それでも、もらい物の夏野菜に豆腐一丁プラスくらいの贅沢はできそうでありがたい。
吉田家の食卓はワイフの収入にすがってばかりだから、せめて万善寺の一人暮らしくらいは坊主稼ぎでなんとかまかなおうと踏ん張っているところだ。

最近は、坊主暮らしの日常の其処此処で、「息子さんは何歳になられましたね?」とか、「跡継ぎの心配はしとられますかね?」とか、「息子さん得度は済んどったかいネ?」とか、やたらにじゅん君が話題へ登るようになってきた。
誰がどう考えても近未来の発展的展望が皆無の万善寺を次の代へ譲るとか引き継ぐとか、そういう夢の如き話題などいい加減聞き飽きてしまった。
「彫刻の弟子は受付けますが、坊主の弟子はとらないことに決めてますので・・」
その手の話題を振られた時は、だいたいそのように回答することにしている。
やはり、自分の発言にはそれなりの説得力と具体的証明が必要でもあるから、特に彫刻へこだわることもなく、何かしらクリエイティブな路線で気になる周辺の若い人材はできるだけ見逃さないようにして声をかけるようにしている。
末寺坊主と美術を秤にかけると、やはり近未来の発展が望めるのは美術のほうだと思っている。それに何より、自分の苦悩や努力がキチンと正直な結果になって自分に返ってくるところに魅力を感じるし、生きる目標にもなる。

なんとなくノリと勢いで万善寺へ寄宿することになった彫刻家のタマゴちゃんも、早いものでそろそろ住み込みをはじめて1ヶ月が過ぎた。
今は、地元山陰のグループ展へ出品を目標に、木彫を制作している。
それとなくさりげなく、制作の様子を見ていると、この2週間は制作の手が止まって悩み続けているふうに感じる。1作1作、1点1点を大事にすることは良いことだが、それにハマりすぎてコダワリすぎるのも良くない。作家歴の若い頃は抜け出せない制作のラビリンスに迷い込むことがよくある。それも、自分の造形の成長でもあるのだが、自分で気が付かないまま制作の泥沼にハマってしまうと、其処から抜け出すのに相当のエネルギーが必要になる。
今の彼女には、とことんジタバタしてほしいと思っている。

万善寺の庫裏玄関を解錠したら、入り口の土間へノミ跡が残る制作中の木彫があった。
材料の元は、私がストーブの焚付にしようともらって来た杉の丸太。
決して木彫として上等の材料ではないが、その節や木目を工夫しながら粘り強く彫り続けた過程に味があって面白くなりそうだ。
表現のテーマがブレなければ、技術や完成度はついてくるものだ。
今は、ひらめきの積み重ねを素直にかたちの連続へ置き換える作業が大事な時だと思う。

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